◇トラウマ、正常反応だが…「１カ月以上続けば相談必要」

専門家は今のトラウマが異常な反応ではないと判断する。ペク教授は「務安空港惨事という非正常的な状況に対して苦痛を訴えて急性ストレスを体験するのは正常な反応とみることができる」とし「とても苦しい出来事なので心が痛むのは全くおかしなことではない」と話す。ペク教授は「大型災難が発生すると、社会や国を信じてもいいのか疑問が沸き起こり、信頼が揺らぐようになる。すると国の未来まで揺らぐ場合がある」と警告する。


ソク教授は「飛行機恐怖症」に対して「災難直後には恐怖心が生じるのは当然のことであり、正常な感情」としながら「ほとんどは時間が過ぎれば自然に回復するが、１カ月以上続く場合には専門家にかかるのがよい」と話した。専門家は近い知人と対話をすることを勧告する。ソウル大学心理学科のチェ・ジニョン教授は「今は危険な状況だ。互いに近況を尋ね、見舞いの言葉を伝えることが重要だ」とし「非常につらい思いをしている人がいないかどうか確認する必要がある」と話す。チェ教授は「政争がストレスを多く与えるため当面はストップする必要がある」と付け加えた。


ペク教授は「現在の憂鬱症状は他の人の痛みに共感するため現れる。それでも新年を迎えて悲しみのトンネルから抜け出さなくてはならない」とし「このような時こそ人が重要だという事実を認識し、親しい人々と共にし、痛む心を十分に共有し、慰労しなければならない」と話した。大韓精神健康医学科医師会は声明書で「日常を捨てたままニュースに没頭して恐怖を増幅するよりも各自の生活に集中しなければならない」と勧告した。

◇精神疾患も悪化懸念…過呼吸などの症状に注意を

今回の事件トラウマが持病を悪化させる場合もある。大韓精神健康医学科医師会は「今回の事故トラウマによってパニック障害や飛行恐怖症、広場恐怖症が悪化する恐れがある。時間が過ぎても他の形の苦痛として残る場合もある」と懸念した。医師会は「家族をはじめとして周辺に気を配り、近いところから希望を探す必要がある」と説明した。

トラウマがひどい場合、自殺を選んでしまう心配もある。自殺者を分析（心理解剖検査）すると平均３．９個の非常に難しい事件を抱えているという。非常戒厳・務安空港惨事に個人の困難を加えれば極端な状況が発生する危険もある。

ソク教授は「呆然とした状態に陥って危険な行動を取ったり、一息入れて休むことができないほど（過呼吸）になり失神したりする人がいないか、周辺に気を配る必要がある」とし「そのような人がいる場合、専門家を紹介するか国家トラウマセンター心理支援団に連絡したほうがいい」と話した。メンタルヘルス危機相談電話を利用することもできる。

専門家は事故映像の視聴を少なくするべきだと勧告する。ソク教授は「映像やニュースをずっと見ているのはよくない。情報が必要な場合、朝・夕に一度見る形に制限するほうがよい」と話した。ペク教授は「ユーチューブやニュース映像、ＳＮＳより刺激が弱いメディア（たとえば新聞）を見るのが良い」と話した。


「大きな衝撃で全国が災難地域」…トラウマの中に閉じ込められた韓国、解決法は（１）