ロシアに派兵された北朝鮮軍が死亡すれば北朝鮮当局が現地に「北朝鮮支援軍の墓」を造成し、一部の遺骨は送還して「体制宣伝」に活用するという見方が出てきた。

国家安保戦略研究院のコ・ジェホン研究委員は１３日、「最近の北朝鮮の葬儀法改正と北朝鮮軍のロシア派兵」と題したイシューブリーフで、「北朝鮮は最近、最高人民会議常任委員会を開き、昨年３月に採択した『葬儀法』を修正・補充した」と伝えた。

続いて「葬儀法の全文は公開されていないが、時期的に北朝鮮軍のロシア派兵と重なり、彼らの死亡者の葬儀に対応した法的措置の一環とみられる」と主張した。


コ氏は「ロシアで北朝鮮軍が死亡する場合、ロシアの北朝鮮軍駐屯地で北朝鮮軍部隊長の主導で葬儀をし、ロシアの風水的に良いところに共同墓地形態の『北朝鮮支援軍墓』を造成するようだ」と予想した。過去に北朝鮮がベトナムのバクザン県に「北朝鮮軍墓地」を決める際、風水を見て選定したが、今回のロシアでも同じ方式を適用するという説明だ。

コ氏は戦死した北朝鮮軍人について「戦争終結後、時差を置いて遺族に次々と死亡通知書を送るとみられる」とし「ほとんどの北朝鮮軍の墓地と遺骨は、韓国戦争（朝鮮戦争）に参戦した『中国支援軍の墓』が北朝鮮にあるようにロシア現地にそのまま置かれるだろう」という見方を示した。

また戦闘中の死亡者の家族と負傷者の栄誉軍人は援護事業規定に基づき恩恵を受けると予想した。多くの死亡者のうち少数の英雄称号授与者の遺骨は送還して「国家葬」をし、「６・２５戦争参戦烈士墓」に安置するだろうと、コ氏は予想した。

北朝鮮はベトナム参戦北朝鮮軍の遺骨と１９９６年の江陵（カンヌン）武装浸透共産軍の遺骨引き渡しの後、対内宣伝用として活用した。ベトナム戦争で死亡して現地の「北朝鮮軍墓地」に安置されていた北朝鮮空軍操縦士・整備士１４人の遺骨は、金正日（キム・ジョンイル）総書記時代の２００２年９月に３５年ぶりに送還され、平壌（ピョンヤン）「人民軍烈士墓」に安置された。

北朝鮮は当時、金正日総書記が遺骨送還および葬儀などすべての手続きを国家的な行事として進めるべきだという特別指示を出し、米国のブッシュ政権に対抗し「ベトナム人民の反米抗戦に参戦して犠牲になった烈士」と称えた。

コ氏はこうした事例に言及しながら「今回のロシア派兵北朝鮮軍の死亡者も金正恩（キム・ジョンウン）委員長の偶像化と対内宣伝に活用するだろう」と伝えた。