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【現場から】「議員投票権」を奪った韓国与党…重鎮が率先して民主主義を後退させた

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

国民の力議員らが7日午後、国会で開かれた議員総会が終わった後に出てきている。この日の本会議に上程された尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案は、国民の力の表決不参加で議決定足数(200人)に届かず「投票不成立」で投票終了が宣言された。 チョン・ミンギュ記者

「金建希(キム・ゴンヒ)夫人特検法」と尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾訴追案の国会本会議での表決が予定された7日午後5時。運命の時間が迫ると、国民の力は国会本館246号議員総会で投票戦略をめぐる最後の議論に入った。特検法と弾劾案に党論として反対することを決めた直後だった。

カギは弾劾案の表決方法だった。本会議場で反対投票をするか、投票自体をせず本会議場を離れるかをめぐり討論が続いた。大統領弾劾案の可決要件は「在籍議員3分の2(200人)以上の賛成」であり、108人の与党議員が投票に参加しなければ投票自体が成立しない状況だった。

2016年の朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾案表決を経験した朱豪英(チュ・ホヨン)議員が重鎮議員を代表して「投票ボイコット」を提案した。「党論反対に基づく単一隊伍」を名分にしたが、無記名投票で行われる表決での離脱のリスクを減らすのが本当の目的だった。団体で表決に参加しなければ離脱リスクをなくすことができるという「封鎖効果」を狙ったのだ。重鎮議員らは「共に大統領を弾劾すれば国民が許してくれると思っていたが、そうではなかった」とし、朴元大統領弾劾当時の経験を伝えて説得した。


金宰燮(キム・ジェソプ)議員、金素熙(キム・ソヒ)議員、金相旭(キム・サンウク)議員ら初当選の新人を中心に「選挙区で堂々と政治をしたい」「表決不参加は卑怯」という反対の意見もあった。同じ無記名投票だが、特検法再表決は可決基準(在籍議員の過半出席、出席議員3分の2以上の賛成時に通過)のために参加し、続く弾劾案表決に参加しないのは矛盾するという趣旨だった。秘密投票の原則に背くという指摘もあった。

このような反対意見のため院内指導部は議員全員を対象に弾劾案の表決に参加するかどうか意思を尋ねたところ、表決参加反対が108人のうち99人で圧倒的優勢だった。投票に参加しようという議員はわずか9人だった。弾劾案投票ボイコットをした与党議員らは「国会議員は国家利益を優先して良心に基づいて職務を行う」という憲法条文を、保守陣営の分裂を防ぐという名分で放棄した。

先に上程された金建希特検法の表決を終えた与党議員の大半は表決の結果を見ずに直ちに本会議場を離れた。民主党関係者らが本会議場前のロタンダホールを占拠したため、正門でなく別の通路を利用した。四方から民主党関係者らが「反逆者」「卑怯者」として叫んだが、与党議員はいかなる言葉も返せなかった。

党論に反して表決に参加した議員は安哲秀(アン・チョルス)議員、金睿智(キム・イェジ)議員、金相旭議員だけだった。3人の与党議員は「憲法機関として任務と所信に基づき忠実に投票した」(安哲秀議員)、「表決後に脅迫も多かったが、国会議員各自が憲法機関」(金相旭議員)、「わが党のために国民の声を代弁するべき」(金叡智議員)と語った。硬い表情で逃げるように本会議場を離れた国民の力所属「憲法機関」105人のみすぼらしい姿とは対照的だった。

国民の力は弾劾賛成が保守の壊滅につながった2016年のトラウマのため、やむを得ない選択だったと主張する。しかし議員らが投票する権利までも奪った今回の選択に対する最終成績表が8年前より良かったと果たして誰が言えるだろうか。



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