尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾訴追案の国会本会議表決を翌日に控えた6日、与党・国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表が「尹大統領の早急な職務執行停止が必要だ」と述べ、「弾劾」側に傾いた。尹大統領の要請で韓代表との会談があった時間、2人の間で共感が形成されるのではという期待感が生じたが、すぐにこうした期待は消えた。このような過程を経て国民の力と最大野党の共に民主党、そして尹大統領ともに打開が難しい道に向かった。
この日午前の国民の力緊急最高委員会議で韓代表は「戒厳令宣言の当日、尹大統領が主要政治家を反国家勢力という理由で高校後輩の呂寅兄(ヨ・インヒョン)防諜司令官に逮捕するよう指示した事実と、政治家逮捕のために情報機関を動員した事実を信頼に値する根拠を通じて昨夜確認した」と明らかにした。続いて「今回の弾劾について『通過しないよう努力する』と話したが、新たに表れている事実などを勘案すると、大韓民国と国民を守るために尹大統領の早急な職務執行停止が必要だ」とし、事実上の弾劾賛成を示唆した。
続いて6選の趙慶泰(チョ・ギョンテ)議員が与党議員の中では初めて弾劾賛成の立場を表明し、安哲秀(アン・チョルス)議員も尹大統領が退陣計画を示さない場合は弾劾案に賛成するという立場を明らかにした。弾劾案が国会本会議で可決されるには国民の力議員108人のうち8人が「賛成」に離脱しなければならない。
軍関係者の暴露も続いた。郭種根(クァク・ジョングン)陸軍特殊戦司令官はこの日、民主党の金炳周(キム・ビョンジュ)議員、朴善源(パク・ソンウォン)議員と会い、「非常戒厳当時に金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官から国会議事堂の人員を外に出せという指示を受けた」と述べた。また郭司令官は「尹大統領が自分に電話をし、『707部隊がどのあたりに来ているのか』と尋ねた」とも伝えた。
こうした中、尹大統領がこの日午後、韓代表に会談を提案して会った。その間、尹大統領は何度か韓代表の会談要請を拒否していた。2人は前日にも韓悳洙(ハン・ドクス)首相と与党重鎮が同席した会談で会っていた。会談は1時間ほど続いた。
韓代表との会談後に尹大統領が国会に向かって国民の力議員総会に出席するという噂が広まった。尹大統領が国民を不安にさせた非常戒厳事態について謝罪し、その背景を説明するという見方も出てきた。この過程で尹大統領の「任期短縮改憲発表説」が提起されたりもした。野党議員と補佐陣が尹大統領の国会進入を阻止するために本館の入口に集まったりもした。
2人の会談は変曲点にはならなかった。韓代表はその後、国会で開かれた非公開議員総会で「尹大統領に会ったが、私の判断を変えるほどの話は聞けなかった」と党所属議員らに伝えた。大統領室の関係者も「大統領は今日、国会訪問日程がない」と公示した。
ただ、尹大統領が国会訪問を計画した後、状況がよくないため訪問計画を取り消したのかは確認されなかった。
尹大統領は4日午前4時27分の非常戒厳解除発表以降、まだ公開的な席に姿を現していない。しかし大統領として人事権は行使している。金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官の辞任案を裁可し、崔秉赫(チェ・ビョンヒョク)駐サウジアラビア大使を長官候補者に指名した。朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長の辞意を返戻したのに続き、6日には長官級の真実和解委員長に朴宣映(パク・ソンヨン)元議員任命案を裁可した。
尹大統領と韓代表の間で国民の力は混乱している。午前の議員総会では依然として「弾劾反対」の気流が優勢だったという。議員総会に出席した韓議員は「弾劾に対しては初当選議員や親韓派などに関係なくみんなが反対した」と話した。弾劾の代わりに任期短縮改憲を含む「秩序ある退陣」を要求する声もあった。
しかし戒厳の状況が次々と公開されると、議員総会の雰囲気は深刻になった。議員間の立場の違いを埋められず遅い時間まで続いた。安祥薫(アン・サンフン)議員は記者らに「(弾劾賛否を越えて)保守全般に対する根本的な反省からいろいろと話が出ている」と伝えた
秋慶鎬(チュ・ギョンホ)院内代表と朴正河(パク・ジョンハ)党代表秘書室長など党指導部がこの日晩、大統領室を訪ね、鄭鎮碩(チョン・ジンソク)大統領秘書室長らと戒厳事態に関する尹大統領の国民向け謝罪などについて3時間ほど調整したとも伝えられた。秋院内代表は会談直後の議員総会場で「大統領に議員総会で出た意見をすべて伝達した」とし「今はもう大統領の時間だ。答えを待とう」と話した。
政府・与党は野党が提起した2次戒厳論を一斉に否認した。禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長がこの日午後、「第2の非常戒厳はありえず、許されない」と緊急記者会見を開いた。これに対し韓代表は「尹大統領から2次戒厳はないという確答を受けた」と伝えた。非常戒厳執行を主導した金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官の辞任後に国防長官職務代行を引き受けた金善鎬(キム・ソンホ)国防部次官は「一部で提起された『2次戒厳状況』主張は全く事実でない」とし「発令要求があっても国防部と合同参謀本部はこれを絶対に受け入れない」と明らかにした。国防部は非常戒厳時に国会などに兵力を出動させた李鎮遇(イ・ジンウ)首都防衛司令官、郭種根(クァク・ジョングン)特殊戦司令官、呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官に対する職務停止を決定する一方、関連者の出国禁止も法務部に申請した。
民主党はこの日の議員総会で李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官に対する弾劾案推進を全会一致で党論として議決した。盧宗勉(ノ・ジョンミョン)院内報道官は「李長官は国会行安委に出てきてまで大統領の正当な権限行使だったと擁護し、戒厳司令官の任命に同意したとみられる」と主張した。李長官は2回目の弾劾訴追となる。民主党が梨泰院(イテウォン)惨事の責任を問うて昨年2月に弾劾案を可決したが、憲法裁がこれを棄却し、李長官は5カ月ぶりに長官に復帰した。
この日午前の国民の力緊急最高委員会議で韓代表は「戒厳令宣言の当日、尹大統領が主要政治家を反国家勢力という理由で高校後輩の呂寅兄(ヨ・インヒョン)防諜司令官に逮捕するよう指示した事実と、政治家逮捕のために情報機関を動員した事実を信頼に値する根拠を通じて昨夜確認した」と明らかにした。続いて「今回の弾劾について『通過しないよう努力する』と話したが、新たに表れている事実などを勘案すると、大韓民国と国民を守るために尹大統領の早急な職務執行停止が必要だ」とし、事実上の弾劾賛成を示唆した。
続いて6選の趙慶泰(チョ・ギョンテ)議員が与党議員の中では初めて弾劾賛成の立場を表明し、安哲秀(アン・チョルス)議員も尹大統領が退陣計画を示さない場合は弾劾案に賛成するという立場を明らかにした。弾劾案が国会本会議で可決されるには国民の力議員108人のうち8人が「賛成」に離脱しなければならない。
軍関係者の暴露も続いた。郭種根(クァク・ジョングン)陸軍特殊戦司令官はこの日、民主党の金炳周(キム・ビョンジュ)議員、朴善源(パク・ソンウォン)議員と会い、「非常戒厳当時に金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官から国会議事堂の人員を外に出せという指示を受けた」と述べた。また郭司令官は「尹大統領が自分に電話をし、『707部隊がどのあたりに来ているのか』と尋ねた」とも伝えた。
こうした中、尹大統領がこの日午後、韓代表に会談を提案して会った。その間、尹大統領は何度か韓代表の会談要請を拒否していた。2人は前日にも韓悳洙(ハン・ドクス)首相と与党重鎮が同席した会談で会っていた。会談は1時間ほど続いた。
韓代表との会談後に尹大統領が国会に向かって国民の力議員総会に出席するという噂が広まった。尹大統領が国民を不安にさせた非常戒厳事態について謝罪し、その背景を説明するという見方も出てきた。この過程で尹大統領の「任期短縮改憲発表説」が提起されたりもした。野党議員と補佐陣が尹大統領の国会進入を阻止するために本館の入口に集まったりもした。
2人の会談は変曲点にはならなかった。韓代表はその後、国会で開かれた非公開議員総会で「尹大統領に会ったが、私の判断を変えるほどの話は聞けなかった」と党所属議員らに伝えた。大統領室の関係者も「大統領は今日、国会訪問日程がない」と公示した。
ただ、尹大統領が国会訪問を計画した後、状況がよくないため訪問計画を取り消したのかは確認されなかった。
尹大統領は4日午前4時27分の非常戒厳解除発表以降、まだ公開的な席に姿を現していない。しかし大統領として人事権は行使している。金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官の辞任案を裁可し、崔秉赫(チェ・ビョンヒョク)駐サウジアラビア大使を長官候補者に指名した。朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長の辞意を返戻したのに続き、6日には長官級の真実和解委員長に朴宣映(パク・ソンヨン)元議員任命案を裁可した。
尹大統領と韓代表の間で国民の力は混乱している。午前の議員総会では依然として「弾劾反対」の気流が優勢だったという。議員総会に出席した韓議員は「弾劾に対しては初当選議員や親韓派などに関係なくみんなが反対した」と話した。弾劾の代わりに任期短縮改憲を含む「秩序ある退陣」を要求する声もあった。
しかし戒厳の状況が次々と公開されると、議員総会の雰囲気は深刻になった。議員間の立場の違いを埋められず遅い時間まで続いた。安祥薫(アン・サンフン)議員は記者らに「(弾劾賛否を越えて)保守全般に対する根本的な反省からいろいろと話が出ている」と伝えた
秋慶鎬(チュ・ギョンホ)院内代表と朴正河(パク・ジョンハ)党代表秘書室長など党指導部がこの日晩、大統領室を訪ね、鄭鎮碩(チョン・ジンソク)大統領秘書室長らと戒厳事態に関する尹大統領の国民向け謝罪などについて3時間ほど調整したとも伝えられた。秋院内代表は会談直後の議員総会場で「大統領に議員総会で出た意見をすべて伝達した」とし「今はもう大統領の時間だ。答えを待とう」と話した。
政府・与党は野党が提起した2次戒厳論を一斉に否認した。禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長がこの日午後、「第2の非常戒厳はありえず、許されない」と緊急記者会見を開いた。これに対し韓代表は「尹大統領から2次戒厳はないという確答を受けた」と伝えた。非常戒厳執行を主導した金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官の辞任後に国防長官職務代行を引き受けた金善鎬(キム・ソンホ)国防部次官は「一部で提起された『2次戒厳状況』主張は全く事実でない」とし「発令要求があっても国防部と合同参謀本部はこれを絶対に受け入れない」と明らかにした。国防部は非常戒厳時に国会などに兵力を出動させた李鎮遇(イ・ジンウ)首都防衛司令官、郭種根(クァク・ジョングン)特殊戦司令官、呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官に対する職務停止を決定する一方、関連者の出国禁止も法務部に申請した。
民主党はこの日の議員総会で李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官に対する弾劾案推進を全会一致で党論として議決した。盧宗勉(ノ・ジョンミョン)院内報道官は「李長官は国会行安委に出てきてまで大統領の正当な権限行使だったと擁護し、戒厳司令官の任命に同意したとみられる」と主張した。李長官は2回目の弾劾訴追となる。民主党が梨泰院(イテウォン)惨事の責任を問うて昨年2月に弾劾案を可決したが、憲法裁がこれを棄却し、李長官は5カ月ぶりに長官に復帰した。
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