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尹大統領の戒厳宣言、内乱罪に該当か…初の現職大統領訴追の可能性

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

尹錫悦大統領が3日午後、ソウル竜山の大統領室庁舎で緊急対国民特別談話を行っている。[写真 大統領室]

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の3日の「非常戒厳」宣言は6時間後に解除されたが、その波紋は現職大統領の司法処理問題につながる見通しだ。政界は4日、戒厳宣言の違法・違憲性を指摘し、尹大統領の内乱容疑を浮き彫りにした。今回の事態は「大統領は内乱または為替の罪を犯した場合を除いては在職中に刑事上の訴追を受けない」(憲法第84条)という不訴追特権適用の例外的状況という判断からだ。検察の内部でも尹大統領に対する捜査の必要性を強調する声が続いた。

最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表はこの日、「昨夜の尹錫悦大統領の戒厳宣言は明白な国憲紊乱であり内乱行為」とし「尹錫悦大統領の辞任と内乱罪に対する即刻捜査を貫徹する」と述べた。民主党など野党5党の議員およそ40人が連合した「尹錫悦弾劾国会議員連帯」は緊急記者会見を開き、「大統領は軍を動員して事実上内乱罪に該当する犯罪を犯した」と主張した。

◆「尹大統領、内乱首魁犯罪」告発状


正義党・緑色党・労働党は戒厳解除から6時間ほど経過したこの日午前10時50分ごろ、ソウル中央地検に尹大統領に対する内乱容疑告訴状を提出した。クォン・ヨングク正義党代表は記者会見を開き「憲法を守るべき大統領がむしろ国憲を紊乱させた。国憲を紊乱させた者は例外なく内乱罪で処罰を受けなければいけない」とし「大統領は自らクーデター、内乱首魁犯罪者になった」と述べた。市民団体「司法正義を立て直す市民行動」もこの日午後、尹大統領と金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官を内乱容疑で告訴することにした。

◆不訴追特権を破る内乱罪…初の現大統領訴追の可能性

尹大統領に対する告発状が捜査機関に提出されたのは初めてではない。2月には、総選挙を控えて民生討論会を活用して特定地域に対する支援策を発表した点が公職選挙法違反だという告発状が提出され、3月には民主党が李鐘燮(イ・ジョンソプ)前国防部長官の駐豪大使任命・赴任と関連した尹大統領を虚偽公文書作成および犯人逃避罪容疑で高位公職者犯罪捜査処に告発した。ただ、こうした容疑の場合、大統領不訴追特権により犯罪事実が認められるとしても起訴できない内容であり、実際、検察と高位公職者犯罪捜査処も実質的な捜査に着手しなかった。

ただ、戒厳宣言による内乱罪の場合、大統領不訴追特権が適用されず、検察の捜査はもちろん、容疑が認められる場合は起訴も可能だ。特に警察を投入して国会など主要機関・施設の出入りを統制し、戒厳軍が国会議事堂を武力で占拠するために試みたという点が、内乱罪成立の争点となる可能性がある。民主党の趙承来(チョ・スンレ)報道官は「国会を武力鎮圧した行為が内乱罪に該当するという点も検討することにした。その責任をどう問うかは他の政党と協議していく」と話した。

大法院(最高裁)は1997年、全斗煥(チョン・ドゥファン)政権の1980年の「5・17非常戒厳全国拡大措置」に対し「国憲紊乱の目的を持つ者により目的達成の手段として利用される場合、内乱罪構成要件である暴動に該当し、わが国全国の平穏を害する程度に至ったことが認められる」とし、有罪を確定した。

尹大統領の内乱容疑を主張する声が相次ぐと、捜査機関も先制的な法的検討に入った。この日、告発状を受けた検察の場合、容疑を問いただす前に、内乱罪なら検察の捜査対象でないという立場だ。実際、最高検察庁はこの日、尹大統領の内乱罪に対する捜査が可能かどうかを検討した後、指揮部に「捜査不可」という結論を報告したという。

検察関係者は「文在寅(ムン・ジェイン)政権当時に検察の捜査範囲を腐敗、経済犯罪などにしておいたため、内乱罪の場合、検察で直接捜査できないと判断される」とし「戒厳宣言が内乱罪に該当するかという検討を含め、告発があった事件に対する捜査は警察が担当するべきとみられる」と話した。

今回の非常戒厳宣言自体が違憲・違法に該当する場合、戒厳議論の過程に参加したり指揮したりした国務委員および戒厳宣言後に国会議事堂進入を図った戒厳軍なども捜査対象に挙げられる。この場合、まず軍将兵に対する捜査は軍検察で行われるが、戒厳司令官の役割をした陸軍参謀総長ら指揮部に対する捜査は高位公職者犯罪捜査処などに移管される可能性がある。

軍検察出身の弁護士は「戒厳宣言後に命令を履行した軍人に対しては軍検察が捜査するべきとみられ、民間人や公務員に対しては警察などの捜査機関が担当するべき領域」とし「ただ、戒厳令宣言自体が違憲的で不法だったか確認する必要があり、戒厳宣言後の国会進入などの状況は戒厳司令官の権限内で起きたことかを一つずつ問いたださなければいけないようだ」と話した。

◆「故意性あってこそ成立可能」という主張も

検察の内部でも現職検事が尹大統領の内乱容疑に対する捜査の必要性を強調する声が続いている。ソウル高等検察庁のキム・テフン検事はこの日、検察内部網に「憲法機関(国会)の機能と権限行使を停止させるために軍兵力を国会議事堂内部に進入させた。深く考える必要もなく明白な違憲、不法ではないのか」とし「戒厳司令部布告令発令行為が違憲、違法が明白なら、捜査が即刻必要ではないだろうか」と主張した。

内乱罪は憲法統治力を阻害したり無力化したりするという故意性が前提となるだけに容疑の立証は容易でないという分析もある。東国大のキム・サンギョム法学部名誉教授は「軍人が国会議事堂を占拠し、国会議員の議院活動を防ごうとしたとすれば、憲法にない権限を行使しようとしたことなので内乱罪と解釈される余地がある」としながらも「内乱罪は目的犯罪であるため故意性があってこそ成立可能であり、結果的に議会が開かれて戒厳解除が可決されたので表面的には内乱罪の構成要件が整っていないとみられる」と指摘した。



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