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トランプ氏の圧迫に、台湾「TSMC2ナノの米国生産考慮」…サムスンへの影響は

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

慶桂顕前サムスン電子DS(半導体)部門長が昨年7月に公開した米テキサス州テイラーのサムスン電子半導体工場。[写真 サムスン電子]

第2次トランプ政権発足を控え半導体産業をめぐる地政学的な流れが急変している。ライバルのいないファウンドリー(半導体委託生産)トップのTSMCを保有する台湾がトランプ氏のより強力になった「米国優先主義」の前で戸惑う様相だ。TSMCと台湾の選択によってサムスンファウンドリーの戦略も変化すると予想される。

台湾国家科学技術委員会(NSTC)の 呉誠文主任委員は先月27日、台湾で開かれた記者会見で「TSMCの2ナノメートル(ナノは10億分の1)プロセスが民主主義友邦国に広がるのか議論が可能だ」と話した。TSMCの最先端2ナノ半導体プロセスが台湾のほか米国でも生産される可能性を台湾政府関係者が直接言及したのは今回が初めてだ。TSMCはこれまで2ナノチップは台湾だけで生産するという立場で、実際に来年から量産を始める。

◇トランプ氏の前に「N-1」の原則まで揺れる台湾


呉主任委員の発言に台湾産業界は動揺する雰囲気だ。台湾の郭智輝経済部長が「台湾には自国の技術保護に向けた規定があるためTSMCは海外で2ナノチップを生産できないだろう」と強調してから1カ月もたたずに気流がひっくり返ったためだ。ただ呉主任委員は半導体技術の空洞化を懸念する一部の声に「2ナノプロセスの安定した大量生産を確認した後に外部へ移転することを考慮する。N-1原則は依然として有効だ」と話した。

最近台湾の半導体業界では「N-1原則」がしばしば言及されている。N-1原則とは、台湾国内の半導体プロセス水準は海外工場より1ナノ以上先を行かなくてはならないというもので、台湾政府が主導する「技術時差」の原則だ。世界の半導体の核心供給網に浮上したTSMCをテコにして自国の安全保障を守り、地政学的価値を高めようとする台湾の苦肉の策だ。

◇トランプ氏の前では何も通じない

トランプ氏は就任前から「台湾が米国の半導体事業をすべて盗んで行った」としながら防衛費で台湾を圧迫した。そんなトランプ氏が再選に成功し来月20日に第2次トランプ政権発足を控えて台湾のN-1原則も揺れる雰囲気だ。

TSMCは650億ドル(約9兆7233億円)を投じて米アリゾナ州に3つの半導体工場を作っているが、2028年に稼動する工場では2ナノ級プロセスが適用されると発表された。韓国半導体業界関係者は「台湾のTSMC工場と米国のTSMC工場間の技術時差がますます縮小している。5年後には最先端チップ生産で米国工場の割合が大きく増えるだろう」と話す。

◇「追撃者」サムスンも米国で2ナノ

現在戦列を再整備中のサムスン電子もやはり戦略変化は避けられない状況だ。サムスンは米テキサス州テイラーのファウンドリー新工場で当初今年末から4ナノプロセスでチップを生産する計画だったが、受注不振と業績悪化が重なり日程が延期されている。半導体業界ではTSMCが早期に2ナノプロセスを米国工場に移すならばサムスンもやはり顧客誘致に向けテイラー工場を2ナノに転換しないわけにはいかないとみる。サムスン電子はテイラー工場の稼動時期を先送りすると同時に2ナノプロセス設備を増やすことを検討しているという。

サムスン電子はTSMCと足並みをそろえて2025年に2ナノ量産、2027年に1.4ナノ量産を計画している。先週ハン・ジンマン半導体(DS)部門米州総括副社長を社長に昇進させ指令塔を交代したサムスンファウンドリーは来年上半期に華城(ファソン)事業所で本格的な2ナノ量産テストに出る。



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