ドナルド・トランプ米国次期大統領
フィナンシャルタイムズ(FT)は16日(現地時間)、トランプ氏の政権移行過程に詳しい情報筋を引用し、「トランプ氏は(ハマスやヒズボラなど)地域内のイラン追従勢力が調達する資金を断ち、核兵器開発能力を除去するための『最大圧力』政策を可能な限り迅速に復活させることを決心した」と報じた。
トランプ氏は1期目にイラン核合意(JCPOA、包括的共同行動計画)を破棄し、イランに数百件の制裁を加える「最大圧力」キャンペーンをした。これに対抗してイランは核活動を強化し、武器級に近いウラン濃縮をしたと伝えられてきた。
◆中国への原油輸出が急減?
トランプ政権2期目はイランの原油輸出を迅速に防ぐとみられる。イランの原油輸出量はトランプ政権1期目に急減し、バイデン政権に入って回復した。FTによると、イランの原油輸出は2022年に一日40万バレルだったが、今年は一日150万バレル以上に急増した。ほとんどが中国に輸出されている。
ジョージ・W・ブッシュ政権のエネルギー顧問を務めたボブ・マクナリー氏は「彼ら(トランプ政権2期目)が本当に最後までいけば、イランの原油輸出を一日数十万バレルに急激に減らす可能性がある」とし「イラン経済はトランプ政権1期目よりさらに脆弱で良くない状況になるだろう」と予想した。
FTは情報筋を引用し、「2期目の最大圧力はイランの軍備拡充とイラン代理グループの資金源を遮断する方向で構想されたが、最終的にはイランを新しい核交渉テーブルに引き出してイランの中東政策までも転換させようという目標がある」と伝えた。
◆「イラン、『トランプ氏を殺害しない』書簡送る」
イランはまずトランプ政権2期目との対立を避けようとする姿だ。前日ウォールストリートジャーナル(WSJ)は、イランが米大統領選挙を約20日後に控えた先月14日、「トランプ氏を殺害しない」という書面確認書をバイデン政権に送ったと報じた。米政府が9月に「トランプ氏の生命に対するあらゆる試みは戦争行為と見なされる」としてイランに送った書面警告に対する返答だった。
先週、米司法省はイラン要員がトランプ氏が再選する前に暗殺を計画したと明らかにした。連邦検察はこれに先立ち8月、イランと関係があるパキスタン人をトランプ氏暗殺陰謀の疑いで起訴した。イランはトランプ氏が2020年1月にイスラム革命防衛隊(IRGC)コッズ部隊司令官カセム・ソレイマニ氏の殺害を指示したことに対して報復を明らかにしてきた。
今回イランが送った書簡に特定人の署名はなかったという。書簡がトランプ氏に伝えられたかについて米当局者らは言及しなかった。
イランは同時に西側が懸念する核兵器開発についても融和的なメッセージを出している。イランのペゼシュキアン大統領は14日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長に会った後、「我々はいかなる方法であれ核兵器の生産を試みていないし、今後もしない」と述べた。
しかしWSJは「西側ではこの数カ月間、イランが核兵器製造を決める可能性があるという懸念が強まった」とし「次期トランプ政権が直面した最も大きな課題の中の一つ」と伝えた。
トランプ氏の目標は「イラン破産」…就任初日から原油輸出防ぐ(2)
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