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中国産攻勢にトランプリスクまで…韓国鉄鋼業界に「二重苦」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

現代製鉄で生産する熱延製品 [写真 現代製鉄]

韓国鉄鋼業界が中国産の低価格攻勢と米国の保護貿易強化の動き、いわゆる「トランプリスク」という難題に直面した。世界的な鉄鋼需要不振に「円安」で輸出競争力を確保した日本産鉄鋼も韓国企業を脅かしている。

現代製鉄は14日、労使協議会を開き、年100万トン規模の浦項(ポハン)第2工場の稼働を停止する方針を説明した。需要不足で工場の稼働率が10%に達しないため、工場を停止するのがコスト面で良いと判断したのだ。会社側は「まだ確定していない」という立場だが、この日の協議会では停止時点と現勤務者の転換配置などを議論したと伝えられた。現代製鉄の関係者は「労使間の円満な協議を通じて最終決定を出す」と伝えた。現代製鉄の7-9月期の営業利益は515億ウォン(約57億円)と、前年同期比で77.4%減少した。同社は唐津(タンジン)製鉄所など生産施設の一部も補修作業をし、生産量を減らした状態だ。

ポスコも低収益事業場の撤収を検討している。現在言及されているのは中国江蘇省の張家港浦項ステンレス鋼製鉄所だ。ステンレスを主に生産するここは中国景気の回復の遅れと供給過剰の影響で昨年1800億ウォン台の赤字を出した。ポスコ側は「売却など構造改革方式を決めるための諮問会社を選定した段階」と説明した。ポスコの今年7-9月期の営業利益は4380億ウォンと、前年同期比39.8%減少した。


国内企業が外国産鉄鋼に苦戦している状況は統計にも表れている。韓国鉄鋼協会によると、昨年の中国産鉄鋼材の輸入量は873万トンと、前年比29.2%増えた。昨年の日本産の輸入も前年比3.1%増の561万トンだった。

さらにポスコは労使賃金交渉も難航している。労働組合は基本賃金8.3%引き上げなどを要求しているが、使用者側は最近の業界状況を理由で基本給8万ウォン引き上げを提示した状態だ。労使が合意点を見いだせず、労働組合は最近ストライキに備えた争議対策委員会も構成した。

来年は米国でトランプ政権2期目が始まる点も鉄鋼業界には負担となる。米国は韓国鉄鋼製品輸出量の約10%を占める相手国だが、トランプ政権1期目の2018年に鉄鋼クオータ(無関税輸入量)制限措置で国内鉄鋼企業が打撃を受けた。2017年まで年平均383万トンだった韓国の対米鉄鋼輸出量は2018年の措置の影響で2021年には200万トン台に減少した。現在、米国に無関税で輸出できる韓国産鉄鋼製品の上限は263万トンだ。このためトランプ政権が中国産鉄鋼輸入を減らすための措置を取るとしても、韓国産クオータのため業界は反射利益を期待しにくい。

トランプ氏の再選で日本の製鉄が推進するUSスチール買収が完了するかも鉄鋼業界の関心事だ。日本業界トップの日本製鉄は米国の産業化の象徴であるUSスチールを141億ドル(2兆2000億円)で買収することにし、現在、米当局の審査が進行中だ。米鉄鋼労働組合が反対する事案であり、トランプ氏も選挙運動の過程で売却反対の意思を示唆したが、選挙の最終段階には日本の対米投資という点で支持する意思を明らかにした。日本製鉄がUSスチールを買収する場合、米国内の電気自動車鋼材市場で日本の鉄鋼のシェアが拡大する可能性がある。

呂翰九(ヨ・ハング)元産業通商資源部通商交渉本部長は11日、韓国経済人協会が主催した座談会で「トランプ政権2期目は貿易赤字縮小と米国製造業の復興のために通商政策を核心手段として使用する」とし「官民が共に危機対応システムを機敏に運営する必要がある」と述べた。



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