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【社説】現実になった「トランプリスク」 緻密な戦略で国益を守るべき=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ドナルド・トランプ共和党候補(78)が5日(現地時間)に行われた第47代米大統領選挙で当選した。トランプ氏は昨日、「我々は歴史をつくった。第45、47代大統領当選を光栄に思う」と勝利宣言をした。トランプ氏が当選したことで、グローバー・クリーブランド大統領(第22、24代)以来132年ぶりに「返り咲き大統領」の誕生となった。米大統領選挙では相手候補が敗北を認めた後に勝利を宣言してきたが、トランプ氏はこのような慣例も破った。

特にトランプ氏は「体に力が残っている限り、強くて繁栄する米国を築くまで休まない」とし「米国を最も偉大な国家に戻す」と述べた。トランプ氏の当選は米国の対外政策の急変を予告している。トランプ氏が選挙期間に明らかにした米国優先主義(Make America Great Again)を再確認しながら今後の国際および北東アジア安保秩序の激変が避けられない見込みだ。

トランプ氏は同盟国が敵国よりも米国を利用したと認識してきた。このため大統領に当選すれば米国の莫大な支援で進行されるウクライナ戦争を早期に終結させると公言した。韓米同盟を基礎に北朝鮮と激しく対峙中の韓国も影響を受けるしかなく、深く心配される。実際、トランプ氏は選挙期間中、韓半島(朝鮮半島)に向けて「自分が大統領の時(1期目)は北朝鮮の核・ミサイル脅威がなかった。戦争を防いだ」と述べた。昨年のキャンプデービッド宣言など韓米日協力を通した対北朝鮮抑止と現在の北東アジア安保構図の再編を示唆したのだ。「トランプリスク」が現実に近づいたのだ。


韓米がすでに合意した韓米防衛費分担金特別協定(SMA)も韓国には負担だ。韓米は2026年から5年間に適用する防衛費分担金の基準を先月確定した。2026年には今年より8.3%増の1兆5192億ウォンを、その後は毎年の物価上昇率を反映するという条件だ。しかしトランプ氏は「韓国は金持ちだ。マネーマシーン(money madhine)」とし、現在の9倍の100億ドル(約1兆5420億円)を要求すると主張した。トランプ1期目にも韓国に100億ドルの分担金を要求し、韓国が拒否すると50億ドルに減らした請求書を送った。請求書には対北朝鮮武力示威のための戦略爆撃機の韓国展開、人工衛星の韓半島上空飛行までも含まれていたという伝言がある。特にトランプ氏が北朝鮮との直接取引で北朝鮮の核を認めて軍縮協議に入る場合、韓国の立場では災難に近い。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権としては国内政治状況の管理に劣らずトランプ2期目との関係設定が足元の火となった。尹大統領は昨日SNSを通じて当選を祝う言葉を伝え、「その間見せてきた強力なリーダーシップの下、韓米同盟と米国の未来はより一層明るく光るはず」とし「今後も緊密に協力していくことを期待する」とした。大統領室は早期にトランプ氏側と意思疎通をし、完ぺきな安保態勢を構築するという立場だ。一日も早くトランプ氏と対面したり、共和党の核心人物と意思疎通をしたりし、両国が同時に利益を追求する緻密な論理を伝達する必要がある。トランプ1期目の交渉経験と資料も活用することを望む。同時に韓日協力を通じて共同で対応し、韓国と似た立場の国と多国間および2国間構図を構築することが急がれる。ニュージャージーで当選したアンディ・キム上院議員をはじめ、米国内の親韓派も積極的に活用しなければいけない。トランプ氏が就任する来年1月20日までの今後70日間は韓半島の運命がかかる時間だ。余裕はない。



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