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「韓国は金持ちじゃないか」計算機手にしたトランプ氏、最初にひっくり返す合意は[トランプ当選](2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
その上大統領選挙キャンペーン中に「金正恩(キム・ジョンウン)とうまく過ごした」と強調し続けてきたトランプ氏が帰ってきて北朝鮮の金正恩国務委員長とトップダウン式の直接交渉をまた試みる可能性が相当にあるという見方が出ている。

ただ金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長は9月にあるフォーラムで「トランプ氏は北朝鮮との首脳会談に意欲を見せるかもしれないが、スモールディール(核凍結や長距離ミサイルだけ除去し制裁緩和などの補償を提供する合意)をしたりはしないだろう」との見方を示した。2019年2月のハノイでの交渉決裂の学習効果があるという理由からだ。実際に「生まれながらの交渉家」と自負するトランプ氏が決裂で終わった当時の会談より北朝鮮への要求を下方修正したりはしないだろうという見方も多い。

専門家らも米朝首脳会談がもう一度開かれるかもしれないが、それ以上の展開は期待しにくいという見方が優勢だ。国立昌原(チャンウォン)大学国際関係学科のホン・ソクフン教授は、「トランプ氏と金正恩氏の会合自体は双方の国内政治的利害関係に合致するため実現するのは可能だが、実質的な成果につながる可能性は小さい。トランプ氏本人も北朝鮮の核問題が簡単に解決できないということをよくわかっているだろう」と説明した。


トランプ氏が「来年1月の就任前にウクライナ戦争を終わらせる」と公言したのは最近の北朝鮮の違法ロシア派兵とも密接に関わっている。トランプ氏当選が確定しただけにロシアのプーチン大統領は休戦交渉が差し迫っているという判断の下で自国領土だったクルスク奪還などに熱を上げる見通しだ。終戦時により有利な国境線を引こうとするために土地を奪おうとする激戦が広がり、ここに北朝鮮軍を事実上の人海戦術として動員する素地が大きい。ただこうした局面が小康状態を迎えればプーチン大統領に武器と兵力を物心両面で支援した金正恩氏の効用が大幅に減少するだろうという分析も出ている。

こうした中、トランプ氏が中国に対する強力な経済制裁と対中外交政策の見直しを予告しており、北朝鮮の核問題において米中が協力する余地はさらに減るものとみられる。これと関連し、慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は「北朝鮮の核問題が強大国の競争構図の従属変数になった。北朝鮮の核方程式の絡まりを解くのがより一層難しくなった」と指摘した。

一方、トランプ氏は中国からのすべての輸入品に対して60%に達する高率関税を、残りの国から輸入される商品にも10~20%の普遍関税を課すと公約した。米中貿易戦争と供給網競争が激しくなり韓国の戦略的スペースも狭まることになるとの懸念が出ている理由だ。

対中牽制目的で2022年に発足したインド太平洋経済枠組み(IPEF)と、同年施行されたインフレ抑制法など、バイデン政権の対外政策も縮小・廃止される素地が多く、経済安全保障の側面で韓米同盟を再点検する必要性も大きくなったと指摘される。

梨花(イファ)女子大学国際学部の朴仁煇(パク・インフィ)教授は「第2次トランプ政権では1期目の時よりさらに強力にトランピズムを展開する可能性があり、韓国もこれによる影響を大きく受けることになるだろう」との見方を示した。


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