6日に米大統領選挙で勝利したトランプ前大統領の経済政策の2本の柱は「減税」と「関税」だ。減税で悪化する財政赤字を大規模関税で相殺するということだ。トランプ減税案は▽来年満了する個人所得税率引き下げなどの措置永久延長▽法人税最高税率21%から20%に、米国内製造企は業15%に引き下げ▽チップ・社会保障給与に対する所得税免除――などが骨子だ。
このような大規模減税は財政赤字を誘発する。米国のすべての輸入品に10~20%の普遍関税を課して穴が空いた財政を埋め合わせるというのがトランプ関税案だ。対外経済政策研究院(KIEP)は第2期トランプ政権で韓国に20%の普遍関税を課す場合、対米輸出額は304億ドル(約4兆7000億円)、総輸出額は448億ドル減少すると試算する。昨年の韓国の総輸出額6322億2600万ドルの8%が失われるという意味だ。半導体、自動車、バッテリー、二次電池など先端産業分野の輸出企業の打撃が大きいと予想される。
中国を狙った60%以上の高率関税賦課は中国の完成品の対米輸出減少につながり、韓国製中間財輸出に影響を与える見通しだ。KIEPは第三国の対米輸出減少により韓国製中間財輸出も70億~89億ドル減ると推定した。さらにトランプ政権は中国製必須製品輸入縮小、中国による米国企業と不動産の買収禁止のようなより積極的な関税案も検討している。これをすべて考慮すれば韓国の実質経済成長率(GDP)を最大0.67%減らすことになるとKIEPは予想する。
産業研究院もトランプ政権2期目は1期目に比べ多くの国を対象に積極的な通商政策が続くと予想した。中国と欧州連合(EU)だけでなく、ベトナム、インド、タイなど新興国を対象に関税戦争が拡大する恐れがある。ベトナムの場合、IT部門を中心に韓国製中間財を加工して米国に輸出する産業構造が定着しているだけに、韓国企業の打撃が懸念される。
現在韓国の対米通商環境はトランプ政権1期目よりも悪化するだろうという見通しが優勢だ。トランプ政権1期目最後の年の2020年に166億ドルだった対米貿易黒字は2023年に444億ドルと2.7倍に増えた点からだ。今年は500億ドルに迫り、2年連続で過去最大を記録する見通しだ。これに対しトランプ政権が韓米自由貿易協定(FTA)改正や再協議に出る可能性も排除することはできない。
外国為替市場と金融市場も霧の中だ。拡張財政政策に追加利下げが先送りされる場合、ドル高基調が続く恐れがあるためだ。ウォンが下落すれば輸入物価を引き上げ内需負担が増すほかない。実際にトランプ氏が当選した2016年11月8日に1ドル~1135ウォンだったウォン相場は年末には1208.50ウォンと2カ月で6.84%下落した。市場では心理的マジノ線である「1ドル=1400ウォン」がニューノーマルになるだろうという見通しも出ている。6日午後3時30分基準でソウル外国為替市場でウォン相場は前日より17.90ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1396.50ウォンを記録した。
米国債利回りの急騰(債券価格下落)の可能性も考えられる。税収不足分を国債発行で埋め合わせなくてはならないが、、これは債券利回り上昇要因だ。これは韓国国債利回りと貸出金利引き上げにつながる。市場では現在4.28%水準である10年物米国債利回りが年4.50%まで上昇するとみる。米国債利回りが上がりドル高が持続すれば韓国銀行の基準金利引き下げの計算方法も複雑になる。7-9月期に0.1%の成長率を記録しかろうじてマイナス成長を免れた韓国経済が内需浮揚に向けた追加利下げを迷う状況に直面しかねないという意味だ。
ただ過度な警戒は不必要だという指摘もある。トランプ氏当選にともなう韓国経済への影響はすぐに現れるよりは執権後3年ほどが過ぎてこそ現実化するという理由からだ。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「トランプ氏の関税賦課だけでも米通商代表部(USTR)の調査と米商務省の人的刷新後に可能なこと。現実化までは時間がかかるだけに市場の反応が誇張された側面がある」と話した。
韓国政府は7日午前に崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官の主宰で経済関係長官会議兼対外経済長官会議を開き米大統領選挙の結果が国内外経済に及ぼす影響を点検し対応計画をまとめる方針だ。
このような大規模減税は財政赤字を誘発する。米国のすべての輸入品に10~20%の普遍関税を課して穴が空いた財政を埋め合わせるというのがトランプ関税案だ。対外経済政策研究院(KIEP)は第2期トランプ政権で韓国に20%の普遍関税を課す場合、対米輸出額は304億ドル(約4兆7000億円)、総輸出額は448億ドル減少すると試算する。昨年の韓国の総輸出額6322億2600万ドルの8%が失われるという意味だ。半導体、自動車、バッテリー、二次電池など先端産業分野の輸出企業の打撃が大きいと予想される。
中国を狙った60%以上の高率関税賦課は中国の完成品の対米輸出減少につながり、韓国製中間財輸出に影響を与える見通しだ。KIEPは第三国の対米輸出減少により韓国製中間財輸出も70億~89億ドル減ると推定した。さらにトランプ政権は中国製必須製品輸入縮小、中国による米国企業と不動産の買収禁止のようなより積極的な関税案も検討している。これをすべて考慮すれば韓国の実質経済成長率(GDP)を最大0.67%減らすことになるとKIEPは予想する。
産業研究院もトランプ政権2期目は1期目に比べ多くの国を対象に積極的な通商政策が続くと予想した。中国と欧州連合(EU)だけでなく、ベトナム、インド、タイなど新興国を対象に関税戦争が拡大する恐れがある。ベトナムの場合、IT部門を中心に韓国製中間財を加工して米国に輸出する産業構造が定着しているだけに、韓国企業の打撃が懸念される。
現在韓国の対米通商環境はトランプ政権1期目よりも悪化するだろうという見通しが優勢だ。トランプ政権1期目最後の年の2020年に166億ドルだった対米貿易黒字は2023年に444億ドルと2.7倍に増えた点からだ。今年は500億ドルに迫り、2年連続で過去最大を記録する見通しだ。これに対しトランプ政権が韓米自由貿易協定(FTA)改正や再協議に出る可能性も排除することはできない。
外国為替市場と金融市場も霧の中だ。拡張財政政策に追加利下げが先送りされる場合、ドル高基調が続く恐れがあるためだ。ウォンが下落すれば輸入物価を引き上げ内需負担が増すほかない。実際にトランプ氏が当選した2016年11月8日に1ドル~1135ウォンだったウォン相場は年末には1208.50ウォンと2カ月で6.84%下落した。市場では心理的マジノ線である「1ドル=1400ウォン」がニューノーマルになるだろうという見通しも出ている。6日午後3時30分基準でソウル外国為替市場でウォン相場は前日より17.90ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1396.50ウォンを記録した。
米国債利回りの急騰(債券価格下落)の可能性も考えられる。税収不足分を国債発行で埋め合わせなくてはならないが、、これは債券利回り上昇要因だ。これは韓国国債利回りと貸出金利引き上げにつながる。市場では現在4.28%水準である10年物米国債利回りが年4.50%まで上昇するとみる。米国債利回りが上がりドル高が持続すれば韓国銀行の基準金利引き下げの計算方法も複雑になる。7-9月期に0.1%の成長率を記録しかろうじてマイナス成長を免れた韓国経済が内需浮揚に向けた追加利下げを迷う状況に直面しかねないという意味だ。
ただ過度な警戒は不必要だという指摘もある。トランプ氏当選にともなう韓国経済への影響はすぐに現れるよりは執権後3年ほどが過ぎてこそ現実化するという理由からだ。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「トランプ氏の関税賦課だけでも米通商代表部(USTR)の調査と米商務省の人的刷新後に可能なこと。現実化までは時間がかかるだけに市場の反応が誇張された側面がある」と話した。
韓国政府は7日午前に崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官の主宰で経済関係長官会議兼対外経済長官会議を開き米大統領選挙の結果が国内外経済に及ぼす影響を点検し対応計画をまとめる方針だ。
この記事を読んで…