北朝鮮軍のロシア派兵に対抗し、韓国政府が「段階的措置」を原則として掲げる中で、ウクライナに対する武器支援を巡り各界から多様な意見が出ている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が直接、殺傷武器の供給に対して「柔軟な検討」(24日の韓・ポーランド首脳会談後の記者会見)と言及してさまざまな方案が議論されているが、戦場に対する武器支援は韓国が「事実上の交戦当事国」として認識されかねない深刻な事案という指摘だ。
◇「1次には防御武器の支援が常識」
尹大統領の発言後、一部メディアを中心に韓国政府が155ミリ砲弾の支援を検討しているという主張が出てきた。韓国政府はひとまずここには線を引いている。
大統領室高位関係者は30日、「ウクライナに155ミリ砲弾を直接支援する方案は検討していない」と明らかにした。米国を通した迂回支援の可能性についても政府は否定した。国防部は31日。「ウクライナがわが政府に砲弾支援を要請したことはなく、砲弾支援を議論したこともない」と明らかにした。
これに関連して、韓国が米国を通じて事実上砲弾を迂回支援したという外信報道が出てきたことがある。韓国が2022年末米国を最終使用権者とする155ミリ砲弾10万発を米国に売り、昨年3月には米国に155ミリ砲弾50万発を貸与形式で譲渡したというものだ。だが、韓国政府はこれを公式に認めたことがない。
韓国政府が砲弾支援と距離を置くのは攻撃用武器供給が持つ波及力のためだ。ウクライナへの支援が可能だと言われている155ミリ砲弾とK2戦車、K9自走砲などは大きな殺傷力を持っている。
梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「武器を提供したという事実だけで交戦当事国だと定義するには国際法的な定義が曖昧だが、ロシアの立場では韓国を交戦当事国だと指弾しながら十分に攻撃することができる」とし「当然韓国としてはそのような主張を受け入れてはいけないが、殺傷武器が一度に向かうというのは最後の手段なので、レッドラインをどのように設定するのか綿密に検討する必要がある」と話した。
◇「攻撃・防御用の基準曖昧」
大統領室高位関係者が30日、「ウクライナに対する武器支援が議論されるとしても、1次的には(攻撃武器ではなく)防御武器の支援から話すことが常識的」と述べたことも同じ脈絡と読める。また別の高位関係者は「武器は価値中立的であり、攻撃に使えば攻撃用、防御に使えば防御用」としながらも「THAAD(高高度防衛ミサイル)体系、パトリオットなど、飛んで来る武器を合わせる特殊目的の防空武器や地対空ミサイルなどは地対地ミサイルと違い、落ちても殺傷力を持つことはできない」と説明した。「防空武器は防御専用」としながらだ。
これに関連して、外交消息筋は「殺傷武器支援は有効な最後の選択肢として持ってはいるべきだが、事実抑制力次元で『鞘の中に収めておくときに最も威力を発揮する剣』と考えなければならない」とし「より大きい悩みは、このような最終段階ではなく中間段階でわれわれがどのような選択肢まで行動に移すかということ」と話した。
北朝鮮とロシアの行動を制御するために、ある瞬間には韓国も行動を見せなければならない状況になる可能性が高いが、このような基準と「中間段階」の行動の程度をどのように決めるのかをめぐり、韓国政府の悩みが深いということだ。段階的に、まずウクライナが必要とする防空武器から順次支援を考慮すべきではないかという意見が出ているのもこのような背景のためだ。
ただし、これは韓国がいくら防御用という名分を掲げても、この先戦場でどのように使われるかによって攻撃武器を支援したも同然だという批判につながりかねない。
国立昌原(チャンウォン)大学国際関係学科のホン・ソクフン教授は「補給品支援程度は大丈夫だが、玄武ミサイル、K9自走砲など殺傷武器を提供するところにおいては、ウクライナの度重なる要求があっても、慎重を期さなければならない」とし「一歩間違えれば北朝鮮の対南挑発に口実を与えたり、ウクライナ戦争が南北代理戦に飛火したりする場合があるため、保守的に接近しなければならない」と話した。
◇「軽率な比例的対応に警戒を」
専門家は軽率な比例的対応にも警戒している。北朝鮮軍派兵の本質から把握しなければならないということだ。
梨花女子大学国際学部の朴仁煇(パク・インフィ)教授は「朝ロ密着は韓米同盟とは次元が違い、朝ロ各自の一時的需要によって犯す『火遊び』に近い」とし「彼らの逸脱行為に同じレベルで対応して不必要に巻き込まれることは警戒しなければならない」と話した。
5日後に迫った米国大統領選挙のその後を見届けなければならないという意見もある。超薄氷構図の中で共和党候補であるドナルド・トランプ前大統領は「当選時の来年1月就任前にウクライナ戦争を終わらせる」と何度も公言した。トランプ再選→休戦交渉→北朝鮮軍効用減少のシナリオで展開する場合、韓国が殺傷武器を提供する誘因や名分も消えるという指摘だ。
漢陽大学国際学大学院ロシア学科のオム・グホ教授は「最後のレバレッジに該当する殺傷武器支援を、果たして今持ち出すべきなのか疑問」としながら「ロシアが北朝鮮に提供する反対給付と、米国大統領選挙以降の情勢などをよく見て、慎重に判断しなければならない」と話した。
◇「1次には防御武器の支援が常識」
尹大統領の発言後、一部メディアを中心に韓国政府が155ミリ砲弾の支援を検討しているという主張が出てきた。韓国政府はひとまずここには線を引いている。
大統領室高位関係者は30日、「ウクライナに155ミリ砲弾を直接支援する方案は検討していない」と明らかにした。米国を通した迂回支援の可能性についても政府は否定した。国防部は31日。「ウクライナがわが政府に砲弾支援を要請したことはなく、砲弾支援を議論したこともない」と明らかにした。
これに関連して、韓国が米国を通じて事実上砲弾を迂回支援したという外信報道が出てきたことがある。韓国が2022年末米国を最終使用権者とする155ミリ砲弾10万発を米国に売り、昨年3月には米国に155ミリ砲弾50万発を貸与形式で譲渡したというものだ。だが、韓国政府はこれを公式に認めたことがない。
韓国政府が砲弾支援と距離を置くのは攻撃用武器供給が持つ波及力のためだ。ウクライナへの支援が可能だと言われている155ミリ砲弾とK2戦車、K9自走砲などは大きな殺傷力を持っている。
梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「武器を提供したという事実だけで交戦当事国だと定義するには国際法的な定義が曖昧だが、ロシアの立場では韓国を交戦当事国だと指弾しながら十分に攻撃することができる」とし「当然韓国としてはそのような主張を受け入れてはいけないが、殺傷武器が一度に向かうというのは最後の手段なので、レッドラインをどのように設定するのか綿密に検討する必要がある」と話した。
◇「攻撃・防御用の基準曖昧」
大統領室高位関係者が30日、「ウクライナに対する武器支援が議論されるとしても、1次的には(攻撃武器ではなく)防御武器の支援から話すことが常識的」と述べたことも同じ脈絡と読める。また別の高位関係者は「武器は価値中立的であり、攻撃に使えば攻撃用、防御に使えば防御用」としながらも「THAAD(高高度防衛ミサイル)体系、パトリオットなど、飛んで来る武器を合わせる特殊目的の防空武器や地対空ミサイルなどは地対地ミサイルと違い、落ちても殺傷力を持つことはできない」と説明した。「防空武器は防御専用」としながらだ。
これに関連して、外交消息筋は「殺傷武器支援は有効な最後の選択肢として持ってはいるべきだが、事実抑制力次元で『鞘の中に収めておくときに最も威力を発揮する剣』と考えなければならない」とし「より大きい悩みは、このような最終段階ではなく中間段階でわれわれがどのような選択肢まで行動に移すかということ」と話した。
北朝鮮とロシアの行動を制御するために、ある瞬間には韓国も行動を見せなければならない状況になる可能性が高いが、このような基準と「中間段階」の行動の程度をどのように決めるのかをめぐり、韓国政府の悩みが深いということだ。段階的に、まずウクライナが必要とする防空武器から順次支援を考慮すべきではないかという意見が出ているのもこのような背景のためだ。
ただし、これは韓国がいくら防御用という名分を掲げても、この先戦場でどのように使われるかによって攻撃武器を支援したも同然だという批判につながりかねない。
国立昌原(チャンウォン)大学国際関係学科のホン・ソクフン教授は「補給品支援程度は大丈夫だが、玄武ミサイル、K9自走砲など殺傷武器を提供するところにおいては、ウクライナの度重なる要求があっても、慎重を期さなければならない」とし「一歩間違えれば北朝鮮の対南挑発に口実を与えたり、ウクライナ戦争が南北代理戦に飛火したりする場合があるため、保守的に接近しなければならない」と話した。
◇「軽率な比例的対応に警戒を」
専門家は軽率な比例的対応にも警戒している。北朝鮮軍派兵の本質から把握しなければならないということだ。
梨花女子大学国際学部の朴仁煇(パク・インフィ)教授は「朝ロ密着は韓米同盟とは次元が違い、朝ロ各自の一時的需要によって犯す『火遊び』に近い」とし「彼らの逸脱行為に同じレベルで対応して不必要に巻き込まれることは警戒しなければならない」と話した。
5日後に迫った米国大統領選挙のその後を見届けなければならないという意見もある。超薄氷構図の中で共和党候補であるドナルド・トランプ前大統領は「当選時の来年1月就任前にウクライナ戦争を終わらせる」と何度も公言した。トランプ再選→休戦交渉→北朝鮮軍効用減少のシナリオで展開する場合、韓国が殺傷武器を提供する誘因や名分も消えるという指摘だ。
漢陽大学国際学大学院ロシア学科のオム・グホ教授は「最後のレバレッジに該当する殺傷武器支援を、果たして今持ち出すべきなのか疑問」としながら「ロシアが北朝鮮に提供する反対給付と、米国大統領選挙以降の情勢などをよく見て、慎重に判断しなければならない」と話した。
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