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崔善姫外相がロシア訪問、北朝鮮軍配置が前倒し…プーチン大統領の贈り物も早まる(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◆「トランプ・アゲイン」の可能性、高地を先占するプーチン

ロシアが北朝鮮軍の投入を急ぐのは、来月5日に行われる米大統領選挙の結果を意識しているためとみられる。接戦状況でトランプ前大統領が終盤に激戦州でやや優勢を見せているが、トランプ氏が再選すればいかなる方法であれウクライナ戦争の休戦または終戦議論が早まる可能性がある。プーチン大統領としては関連の議論が行われる前にできる限り有利な高地を先に占める必要があるということだ。

北朝鮮軍が主に投入されている地域がロシア西南部のクルスク州という点もこうした分析を後押しする。境界地のクルスクはウクライナ軍が進撃して一部占領中のロシア領土だ。休戦や終戦の時点にもウクライナを完全に撃退できなければ、ロシアとしては国境線を引き直す状況に直面する可能性がある。


プーチン大統領がクルスク奪還戦に死活をかけ、一日に数万人ずつ死傷者が発生する中でも北朝鮮軍を供給する速度が速まり、規模も拡大する理由だ。

高麗大の南成旭(ナム・ソンウク)統一融合研究院長は「トランプ氏が当選すれば終戦が近づく可能性があるため、ウクライナがロシア本土に入ってきた領域では劣勢になってはいけないとプーチン大統領が判断したとみられる」とし「このためクルスクに北の軍を投入して速度戦をするだろう」と分析した。「その対価として北は大陸間弾道ミサイル(ICBM)・原子力潜水艦関連の技術などを受ける可能性もあり、ロシアが率先して民生分野の対北朝鮮制裁無力化を進める可能性もある」としながらだ。

◆ロシア訪問の崔善姫外相、金正恩委員長の特命か

実際、朝ロ間の高官級交流の動きも尋常でない。労働新聞は29日、「外相の崔善姫同志と一行がロシア公式訪問のために28日に平壌(ピョンヤン)を出発した」と報じた。崔善姫外相は先月、女性関連の国際行事に出席するためロシアを訪問したが、わずか1カ月ぶりにまたロシアに向かった。金正恩委員長の「特命」があるという推察が可能だ。

特に北朝鮮軍投入が進行する中で外交トップが直接動いたのは、派兵の対価に関する交渉が目的とみられる。前例からみて崔善姫外相はプーチン大統領を表敬訪問し、直接対話をする可能性が高い。金正恩委員長の来年のロシア答礼訪問が今回議論されることも考えられる。

韓国統一部の当局者は「予断はできないが、派兵に関する細部対応を調整する可能性があるとみられる。ただ、1月の崔善姫外相のロシア訪問当時と同じく今回も軍事分野の協議が行われる見込みであり、双方ともに公開する可能性は高くないようだ」と話した。

崔善姫外相のロシア訪問を機に「朝ロ間の包括的戦略パートナーシップ条約」の批准作業が終わるという見方もある。この条約は双方が批准書を交換すれば発効する。ロシアはすでに批准手続きを終え、北朝鮮の批准はまだ確認されていない。ただ、北朝鮮法制上、金正恩国務委員長が主な条約の批准権限を持つため、いつでも批准が可能な状況だ。

ロシア国営タス通信は29日(現地時間)、崔善姫外相が前日にロシア極東ウラジオストクに到着し、30日にモスクワを訪問すると伝えた。ウラジオストクは派兵北朝鮮軍が分散して訓練を受けているところだ。崔善姫外相が派兵将兵を激励する一方、沿海州政府と不法労働者派遣、制裁上の輸出入禁止品目の取引などを議論する可能性が提起される。

国家情報院はこの日、国会情報委員会の国政監査で今年およそ4000人の北朝鮮労働者がロシアに派遣され、6月に両国間で条約が締結されて以降、鉱物をはじめとする禁輸品関連の水面下合意もあったと報告した。


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