米大統領選挙を２週間後に控え、イスラエルを訪問したブリンケン米国務長官がイスラエルのネタニヤフ首相に対し、ハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏の死を契機にガザ地区とレバノンで休戦をするよう促した。ネタニヤフ首相が明確な立場を明らかにしない中、イスラエルがハマスに拘束されている一部の人質解放と短期休戦をする案について議論しているという報道があった。

こうした状況でも２３日（現地時間）、イスラエルとレバノン武装組織ヒズボラは交戦を続けた。ＡＦＰ通信などによると、イスラエル軍の戦闘機がこの日、レバノン南部海岸都市ティレの複数の建物を空襲した。レバノン国営通信は今回の攻撃で３人が死亡したと伝えた。これに対抗してヒズボラもこの日、イスラエル北部ハイファ地域の軍事基地に向けてロケットを発射したと明らかにした。

ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）とＣＮＮ、現地メディアのタイムズ・オブ・イスラエルによると、前日にネタニヤフ首相とブリンケン長官は２時間半ほど会談した。この席でブリンケン長官はシンワル氏の死を契機にガザ戦争を終えるよう促したが、ネタニヤフ首相は「シンワル氏の除去は人質帰還と戦争目標達成、戦後計画に肯定的」とだけ答えた。ＣＮＮはネタニヤフ首相などイスラエル指導部が近く戦争を終えると公開的に言及しなかった点に注目した。


◆「シンベト長官、カイロで短期休戦を議論」

ただ、ＮＹＴはイスラエルの高官２人を引用し、「最近イスラエル内閣が１週間半の休戦について議論した」とし「昨年１１月にイスラエルとハマスが人質約１００人とパレスチナ捕虜約２４０人を解放し、１週間の休戦したのと似ている」と伝えた。タイムズ・オブ・イスラエルも「（イスラエル総保安庁）シンベトのロネン・バー長官が新しいアイデアを議論するため２１日にカイロにいた」とし「イスラエルの高官らは一部の人質が解放される短期休戦と、すべての人質を解放してレバノンとガザの戦争を終わらせる包括的な協定の２件を共に模索している」と伝えた。

ただ、あるイスラエル高官はＣＮＮに「ハマスを誰が率いることになるかが確実でないため人質交渉は不明だ」と述べた。ハマス情報筋は前日、ＡＦＰ通信に「シンワル氏の後任者を決める代わりに３月に予定された次の選挙まで高位５人で構成された委員会がハマスを統治する方向に動いている」と伝えた。この委員会はガザ地区ナンバー２のハリル・ハイヤ氏、西岸地区代表のザヘル・ジャバリン氏、海外組織責任者のハーレド・マシャル氏、保安上名前が明らかにされていない２人で構成されていて、５人は現在カタールにいる。

◆「ブリンケン長官、『将軍たちの計画』しないとの明言を要求」

この日の会談で、ブリンケン長官はネタニヤフ首相に対し、イスラエルがガザ北部から民間人を追い出す意図がないことを公開的に明らかにするよう促した。これに先立ちイスラエル政府がガザ北部を離れるのを拒否する人たちを故意に飢餓に追い込む政策、いわゆる「将軍たちの計画」を進めているという報道があり、論議を呼んだ。

ネタニヤフ首相は「将軍たちの計画」を進めていないと主張しながらも、これを公開的に明らかにするのは拒否したという。その代わり人道的支援のために外国民間セキュリティー会社の利用などハマスの市民統治に代わる方法を模索していると明らかにした。

ある米高官は記者会見で「この会談でネタニヤフ首相はガザ地区支援を増やすべきという米国の強い警告を認識した」と伝えた。これに先立ちブリンケン長官は、イスラエルが１１月中旬までにガザ地区支援を増やさなければ米国の軍事支援を中断すると警告した。


米国務長官、イスラエル首相に「シンワル氏の死を契機に休戦を」…短期休戦を議論（２）