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【社説】持ちこたえる道を選択した尹大統領、今回も機を失するのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が10月21日、大統領室で韓東勲(ハン・ドンフン)国民の力代表(真ん中)と面談した。左側は鄭鎮碩(チョン・ジンソク)大統領秘書室長。 [大統領室提供]

21日の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と韓東勲(ハン・ドンフン)国民の力代表の会合がいかなる成果もなく終わり、その波紋が広がる兆候が表れている。2人の会合は尹大統領の夫人・金建希(キム・ゴンヒ)氏の問題の解決策を導出する契機になると期待されたが、互いに立場の違いだけを確認して終わった。会合後の双方の言葉を総合すると、尹大統領の状況認識は従来と全く変わっていないようだ。

会合で尹大統領は金建希特検法について「我々の議員らが憲政を蹂躪する野党と同じ立場をとる場合、私としてもやむを得ないが、私はわが党の議員らを信じる」と述べた。4日の国会の「金建希・チェ上等兵特検法」再表決では少なくとも4票以上の与党離脱票が出た。次の表決で離脱票が追加で4票増えれば、政権が致命傷を受けるかもしれない絶体絶命の危機だ。ところが当事者の尹大統領はいかなる前向きな措置もなく、ただ与党に守ってほしいというのは極めて無責任な姿勢だ。与党議員らはすべて独立的な政治家だが、民心が悪化すれば動揺するしかない。こうした中でも尹大統領は「あきれるような疑惑に対しては大統領室が立場を出せば、党も共に戦ってほしい」と話したという。非常に安易な状況認識だ。

韓代表が実名を挙げながら刷新を要求した「金建希ライン」問題についても、尹大統領は「誰が具体的にどんな問題があるかを詳細に書いて秘書室長に伝えれば判断する」と述べた。明確な不法がなければ交代はできないと釘を刺したということだ。しかしこれは政治の問題と法の問題を混同するものだ。国民は「金建希ライン」が違法行動をしたのでなく、その人たちを通して金氏が非公式的な影響力を行使する部分を問題視しているのだ。


韓代表の特別監察官任命建議に対しても「与野党が協議する問題」として国会にボールを渡した。民主党が北朝鮮人権財団発足に協力してこそ特別監察官を任命するということだが、現実的には任命する考えがないとの声が聞こえる。尹大統領は韓代表との会合が終わった後、すぐに秋慶鎬(チュ・ギョンホ)国民の力院内代表を呼んで大統領室参謀と共に夕食をした。これからは韓代表を飛び越して国会の件は秋院内代表と協議するという公開シグナルだ。こうした形で与党代表との不和を深めるのが政権にプラスになるのか疑問だ。このようになった以上、与党の重鎮でも衆知を集めて大統領に会い、解決法を勧告するべきではないだろうか。

尹大統領はこれまで何度もターニングポイントを逃して事態を深刻化させた。ブランドバック事件や李鐘燮(イ・ジョンソプ)オーストラリア大使任命問題などがそのようなケースが。今回、ミョン・テギュン氏の暴露でメガトン級のイシューになった金建希氏の問題は大統領就任以降で最も深刻な局面だ。今回も時を逃せば次の機会は永遠にないかもしれない。



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