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【社説】尹大統領の現実認識、これほど民心とかけ離れているのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と韓東勲(ハン・ドンフン)国民の力代表の81分間の会合が結局、何も得られず終わるようだ。尹大統領は韓代表が提起した▼大統領室内の金建希(キム・ゴンヒ)氏(尹大統領夫人)ラインの人的刷新▼金氏の対外活動中断▼金氏に提起された疑惑の説明および解消ーーの3つの要求事項を受け入れる意向を明らかにしなかった。特別監察官任命要求も合意にいたらなかったという。韓代表側の朴正河(パク・ジョンハ)秘書室長はブリーフィングで「韓代表は十分に言葉を伝えた。ただ、大統領の反応や雰囲気は竜山(ヨンサン、大統領室)に確認してほしい」という言葉を繰り返した。「日が沈んだ状況であり、韓代表の表情を確認する方法がなかった」とも語った。認識の違い、会談の決裂を認めたものと解釈される。

今回の会合は与党の運命がかかる分岐点と評価されたが、もう韓代表の決心しだいでは政府・与党が分裂する渦に巻き込まれる可能性も否認できなくなった。すぐにも金氏特検法の再表決で韓代表側の勢力8人以上が離脱すれば特検法が確定するからだ。

会談の具体的な内容は徐々に明らかになるだろうが、成果がないことが確認される場合、一次的な責任は尹大統領にあることを否定できない。民心が金氏に背を向けたことを知りながらも、大多数の保守勢力までが「最後の機会」と警告する中でも尹大統領がこうした対応を見せたとすれば、ひとまず驚くことだ。韓代表の金氏関連の要求に直ちに屈服する姿が難しいのなら、少なくとも「国民の心配を十分に聞いた。民心に応じる解決方法を模索する」という程度の前向きな姿勢を見せるべきだった。そして来月10日の任期折り返し点を迎える時に主導的に自然な形で政府・与党の刷新をしたり、金氏制御装置を作ったりすればよいことだった。


大統領室は韓代表との会合の時間も外交日程を理由に20分ほど遅らせた。ブリーフィングもしなかった。不快感をこうした形で露出してはいけない。国民に近づこうと竜山に大統領室まで移したが、大統領が自ら竜山を離島、ガラパゴスにしているのではないのか。大統領の現実認識は理解しがたい。もう責任は大統領にあるといっても過言でない状況だ。

大統領室はその間、「金氏の活動に不法はない」と抗弁してきた。このため何度も対応のタイミングを逃してきた。今回の面談も変わらないようだ。いま国民が問題にしているのは金氏の不法や違法より、どのように信頼がない人物からブランドバッグを受け、長い対話ができるのかという思いと怒りだ。にもかかわらず大統領はこうした民心に背を向けている。韓代表も面談内容を事前に公開して大統領を追い込む形になった。それぞれ違う方向を見ているのに大統領と与党代表が追加で会っても何の意味があるだろうか。



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