インテルが半導体業界で初めてASMLから引き渡され米オレゴンDX1工場に設置した高NAEUV装備。[写真 インテル]
16日に7-9月期業績を発表する予定だったASMLは前日の15日、自社ウェブサイトに7-9月期業績報告書を掲示した。その後すぐ報告書を削除したが、すでに内容はほとんどが市場に広がった後だった。報告書によると、ASMLの7-9月期装備受注額は26億ユーロ(約4222億円)で、ブルームバーグなど市場予想の53億9000万ユーロの半分にも満たなかった。来年の売り上げ見通しもやはり既存の見通しを大きく下回った。
報告書が流出した直後にASMLの株価は欧州証券市場で16.26%急落した。ASMLは「技術的エラーがあった」としながら業績フライング発表の事実を認めた。この日米国証券市場だけでなく、16日の韓国株式市場でもASMLの「業績ショック」の余波でサムスン電子やSKハイニックスなど半導体企業の株価はほとんどが下落傾向を見せた。
ASMLは7-9月期の半導体装備受注が市場の見通しを下回っただけでなく、来年の見通しも暗いものと判断した。ASMLのクリストフ・フーケ最高経営責任者(CEO)は「人工知能(AI)分野で強力な発展と上昇潜在力が続いているが(消費者など)他の市場はまだ回復が遅いとみられる。メモリー半導体では広帯域メモリー(HBM)に焦点を合わせるため容量追加が限定的」と話した。
AI半導体ブームに乗りエヌビディア、TSMC、SKハイニックスが過去最大の業績を塗り替えているが、スマートフォンやPCなど既存市場の沈滞は相変わらずということだ。米国の対中輸出統制措置が続き中国市場に半導体装備を売ったASMLが打撃を避けることができないことも影響を及ぼした。米国は先端半導体生産に必須のASML装備の輸出制限を継続し中国のAI半導体開発を統制する計画だ。
何より半導体業界ではASMLの売り上げの相当部分を占めたインテルとサムスン電子が最近ファウンドリー(半導体委託生産)事業に対する速度調節に出て関連装備投資を急激に減らしたことが「業績ショック」に決定的だったとみる。ASMLはこの日「特定顧客が慎重な態度を見せている」と言及した。
次世代2ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の超微細工程に必須装備とされる高NA極端紫外線(EUV)装備を最も積極的に導入してきたインテルは最近会社創立後最大の危機に陥りファウンドリー事業の全面再検討に入った。今後の装備投資も不透明だ。サムスン電子もやはりファウンドリーだけでなく本業であるメモリー事業でも技術リーダーシップが揺らぎ、DRAM量産で積極的にEUV工程を適用した既存戦略を整えて関連投資の速度調節に入ったという。両社が財布を閉じ今後ASMLの売り上げ急落は避けられない状況だ。
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