金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長
15日、韓国軍当局によると、国軍心理戦団が運営する「自由の声」放送はこの日午前、拡声器放送で12日に金副部長の談話に対する韓国国防部の立場を知らせた。7月19日、北朝鮮による8回目の汚物風船散布の時、制限的に拡声器放送を稼動した韓国軍は同月21日付で全面稼働に突入した。北朝鮮が13日付で前方全域に実戦完備態勢を敷いたと主張したが、拡声器放送は以前と同じ水準で繰り返し行われている。
放送は該当の内容をニュースの最初に配置した後、「大韓民国国防部は、大韓民国無人機の平壌(ピョンヤン)潜入を主張して威嚇レベルを高めた北朝鮮に対して、国民の安全に危害を加える場合、その日が金正恩政権の終わりになることを明確に警告すると明らかにした」と伝えた。
続いて金副部長の談話について「絶えず挑発を繰り返し、最近では低級で幼稚な汚物ごみ風船を飛ばしてきた北朝鮮が、反省どころか大韓民国国民まで脅迫しようと開き直っている」とし「2022年北朝鮮無人機領空潜入など、そもそも北朝鮮は今まですでに10回余り大韓民国の領空を侵犯したことがある」と批判した。
金副部長は該当の談話で平壌上空に韓国の無人機が浸透したと11日、北朝鮮外務省の主張を繰り返して「韓国軍部自体が今回の事件の主犯や共犯」と断定した。「関連事実を確認することはできない」と曖昧な態度で一貫した国防部に対して不満を表示した。
放送はまた「汚物ごみ風船の散布の他にこれといった突破口がない金正恩政権として、今回の談話は韓国内の葛藤を助長して局面を転換しようとする典型的な姑息な手口」とし「金正恩一家のうその独裁政権に疲れている北朝鮮住民たちの敵愾心でも利用してやろうという策略にすぎない」と強調した。
この日の放送は主に13日国防部の立場を再び伝える水準だったが北朝鮮住民を対象に「白頭(ペクトゥ)血統」である金副部長の立場に一つ一つ反論したという点で注目される。北朝鮮が労働新聞などを通して一方的な北朝鮮の立場だけを知らせて韓国に対する敵愾心をあおる中で、北朝鮮住民に韓国政府の立場に対する情報も与えた後、南北のうちどちらの主張が妥当なのか直接判断を求めた形になったためだ。
実際、金副部長は国防部の該当のコメントが出てた日、再度談話を出して憤る姿を見せたりもした。金副部長は「『韓国内の葛藤を助長して局面を転換しようとする典型的な姑息な手口』など破廉恥な開き直りの詭弁を吐くのも物足りず、また懲りずに身の程もわきまえず『政権終末』を云々して無礼で自滅的な選択を正式公表した」と国防部を非難した。北朝鮮当局は同日境界地域の砲兵部隊に戦闘準備態勢を指示して軍事的緊張感を最高潮に引き上げた。
韓国軍内外では「北朝鮮ナンバー2の金与正に対して、住民たちに見せつけるように事実上公開論駁を行ったが、北朝鮮政権としては敏感に反応せざるを得ない。強対強の対峙局面を長期戦に持っていこうとする要因の一つとして作用するだろう」という観測も出ている。
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