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【社説】ノーベル文学賞受賞の快挙…今度は科学分野につなげよう=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

13日午後、京畿道高陽市の印刷所ハニョン文化社で韓江の『別れを告げない』を製本する様子。この本の初版1刷を印刷したハニョン文化社は韓江のノーベル賞受賞直後に15万部の注文を受け週末も24時間にわたり工場を稼動した。イ・ボラム記者

韓国人で初めてのノーベル文学賞受賞者になった小説家、韓江(ハンガン)シンドロームが激しい。彼女の作品が書店で飛ぶように売れ、印刷所は週末も24時間フル稼動している。韓国文学に対する自負心を高揚する一方、韓国文化の国際的地位を向上した快挙だ。

2000年の金大中(キム・デジュン)元大統領のノーベル平和賞に続き、韓国人として2人目のノーベル賞受賞者が登場したが、私たちはまだ物足りない。特に科学分野の受賞者がまだ1人も出ていないことはこの上なく残念だ。科学分野で日本は1949年に初めての受賞者(物理学賞)が出てきてから25人もノーベル賞受賞の栄誉を授かった。中国も3人の受賞者を輩出した。今年ノーベル科学賞分野を席巻した人工知能(AI)分野でも韓国は遅れている。

ノーベル科学賞は基礎科学分野に贈られる。何よりその研究が人類の暮らしと科学の発展にどれだけ影響を及ぼし寄与したのかが重要だ。ノーベル科学賞が基礎科学と基本技術の競争力を示す指標と見なされる理由だ。韓国の科学インフラや投資は世界的な水準だ。スイス国際経営開発大学院(IMD)による「2024国家競争力評価」で科学インフラ分野1位となった。ネイチャーによると、韓国の国内総生産(GDP)比の研究開発投資の割合は2022年基準5.2%で、イスラエルの5.6%に次いで世界2位だが、研究成果は8位にすぎない。すなわち研究のコストパフォーマンスが落ちるという話だ。


ノーベル科学賞に韓国が名刺を差し出すことができないのは貧弱な研究環境と風土に起因するところが大きい。韓国研究財団によると、核心研究を始めてノーベル賞受賞までに必要とされる期間は平均31.4年だ。これを後押しするのに韓国の現実はあまりにもかけ離れている。基礎科学よりは商用化に必要な応用研究に集中している上に、いわゆる「お金にならない」長期研究を冷遇してきたため短期成果に集中するほかない。このため水準の高い研究を長く進めて深さを積み上げていかなくてはならない「蓄積の時間」が不足する。理工系忌避と医大選好による優秀人材の離脱、科学技術予算不足なども問題と指摘される。

最も喫緊な課題は、基礎科学分野で創意的研究を継続する雰囲気と環境を作ることだ。韓国政府は基礎科学に対する持続的な投資とともに税制などの全方向支援と規制廃止に出なければならない。これを通じて企業と大学・研究所などが研究にだけまい進し、革新を通じて競争力を強化できるようにしなければならない。研究者の処遇改善に向けた案も模索しなければならない。こうしたすべての努力がひとつに集まる時、科学分野のノーベル賞受賞という成果につながるだろう。ノーベル科学賞もやはり成し遂げることができる夢だ。



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