北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が、平壌(ピョンヤン)上空に韓国無人機が浸透したという主張を繰り返しながら「惨事」と「戦争勃発」などと云々した。無人機の実体をめぐる疑問が増幅する中、北朝鮮は異例にも「鉄面皮な大韓民国の民族」により平壌上空に穴が開いたというニュースを対内的にも報道した。これを北朝鮮住民の対南敵がい心を強めるのに活用する一方、対南挑発の名分にする狙いがあると分析される。
金与正副部長は12日夜の談話で「軍部がしていないからといって厚かましくもわが国家に対する重大主権侵害行為を無難に済ませ、国際社会の憂慮の視線を避けることができると考えているのなら、それは誤算」と主張した。韓国軍が「北の主張に対する事実関係を確認することはできない」と公式立場を出したことに対しては、「《確認することはできない》主権侵害挑発が繰り返されても、それが戦争勃発に続いても、自分たちにはいかなる責任もないということを公開的に宣言したのと同じ」と皮肉った。「私たちの首都の上空で大韓民国の無人機がまた発見されるその瞬間、ぞっとする惨事が必ず起こるはず」としながらだ。
◆無人機の正体…軍ではないという点に重き
北朝鮮外務省は11日、「10月3、9、10日の深夜に韓国が無人機を平壌に浸透させてビラをまいた」とし、熱線観測装備(TOD)で撮影したとみられる無人機形状物体と対北朝鮮ビラの写真を公開した。
軍が無人機を飛ばして送った可能性は低いと評価される。複数の政府筋は「停戦協定違反に該当する無人機の浸透を軍が先制的に実施する理由はない」と話した。
民間団体が行った可能性もある。技術的に民間無人機を平壌まで約140キロ飛ばすのは不可能でない。しかしこれを3回連続で平壌上空に進入させるのに成功したという点で現実性が落ちるという指摘も同時に出ている。
◆ビラが平壌に到達すると収拾策? 北の「自作劇」疑惑も
北朝鮮が公開した写真に固定翼無人機がある点も疑わしい。プロペラドローンでなく高価な固定翼無人機は民間で入手するのが容易でないからだ。
軍の内外では北朝鮮当局が事実を歪曲して膨らませている可能性にも言及される。最近ある民間団体が飛ばした風船が北朝鮮「縦深」まで到達したと、情報情報筋は伝えた。この時、対北朝鮮ビラが平壌に落ちた可能性があるが、北朝鮮が無人機という自作劇的要素を加えた可能性も排除できないということだ。一部では北朝鮮内の反政権に韓国を引き込んだという見方もある。
◆決意したような対南敵がい心宣伝戦
注目されるのは、北朝鮮が領空防御に事実上失敗したと見ることができる無人機浸透事態をむしろイシューにしている点だ。北朝鮮はこの日、住民が見る労働新聞の1面に金与正副部長の談話を掲載し、「全国が怒りの活火山に変わった」と強調した。「傀儡の韓国のゴミたちが千秋に容認できない行動を敢行したということを聞いて血が逆流した」などという住民の世論を伝えながらだ。
北朝鮮はビラの写真まで公開したが、金正恩委員長の家族のブランド品着用がその内容だった。ぼかし加工をしているが、写真を少し拡大すれば内容の推定が可能な程度だ。
北朝鮮政権がこのように「最高尊厳冒とく」ビラまで公開するリスクを甘受したのには、対南敵がい心を高める狙いがあるというのが政府の評価だ。「(軍事行動の)その時間は私たちが決めるのではない」という言葉には、責任を韓国に転嫁して挑発の名分を得ようという意図もみられる。
これに対し申源湜(シン・ウォンシク)国家安保室長は13日午前、KBS(韓国放送公社)番組に出演し「北は体制の脅威を拡大・強調することが内部統制に利点があるとみている」とし「それだけ内部が揺らいでいるという傍証」と解釈した。
国防部もこの日の立場表明で「金正恩一家の独裁政権に疲れている住民たちの敵がい心でも利用しようという狙い」と指摘した。また「北が平壌上空に穴が開いたことをめぐり『惨事』『攻撃態勢』など云々するのは、独裁政権が感じる不安感によるものだ」とした。
実際、北朝鮮の過敏な対応にはいら立ちも表れているという指摘がある。金与正副部長は「惨事」に言及しながらも談話を「個人的にはそのようなことが起きないことを祈願する」という言葉で終えた。報復措置を予告しながらも「挑発が繰り返される場合」などの条件を数回繰り返した。
金与正副部長は12日夜の談話で「軍部がしていないからといって厚かましくもわが国家に対する重大主権侵害行為を無難に済ませ、国際社会の憂慮の視線を避けることができると考えているのなら、それは誤算」と主張した。韓国軍が「北の主張に対する事実関係を確認することはできない」と公式立場を出したことに対しては、「《確認することはできない》主権侵害挑発が繰り返されても、それが戦争勃発に続いても、自分たちにはいかなる責任もないということを公開的に宣言したのと同じ」と皮肉った。「私たちの首都の上空で大韓民国の無人機がまた発見されるその瞬間、ぞっとする惨事が必ず起こるはず」としながらだ。
◆無人機の正体…軍ではないという点に重き
北朝鮮外務省は11日、「10月3、9、10日の深夜に韓国が無人機を平壌に浸透させてビラをまいた」とし、熱線観測装備(TOD)で撮影したとみられる無人機形状物体と対北朝鮮ビラの写真を公開した。
軍が無人機を飛ばして送った可能性は低いと評価される。複数の政府筋は「停戦協定違反に該当する無人機の浸透を軍が先制的に実施する理由はない」と話した。
民間団体が行った可能性もある。技術的に民間無人機を平壌まで約140キロ飛ばすのは不可能でない。しかしこれを3回連続で平壌上空に進入させるのに成功したという点で現実性が落ちるという指摘も同時に出ている。
◆ビラが平壌に到達すると収拾策? 北の「自作劇」疑惑も
北朝鮮が公開した写真に固定翼無人機がある点も疑わしい。プロペラドローンでなく高価な固定翼無人機は民間で入手するのが容易でないからだ。
軍の内外では北朝鮮当局が事実を歪曲して膨らませている可能性にも言及される。最近ある民間団体が飛ばした風船が北朝鮮「縦深」まで到達したと、情報情報筋は伝えた。この時、対北朝鮮ビラが平壌に落ちた可能性があるが、北朝鮮が無人機という自作劇的要素を加えた可能性も排除できないということだ。一部では北朝鮮内の反政権に韓国を引き込んだという見方もある。
◆決意したような対南敵がい心宣伝戦
注目されるのは、北朝鮮が領空防御に事実上失敗したと見ることができる無人機浸透事態をむしろイシューにしている点だ。北朝鮮はこの日、住民が見る労働新聞の1面に金与正副部長の談話を掲載し、「全国が怒りの活火山に変わった」と強調した。「傀儡の韓国のゴミたちが千秋に容認できない行動を敢行したということを聞いて血が逆流した」などという住民の世論を伝えながらだ。
北朝鮮はビラの写真まで公開したが、金正恩委員長の家族のブランド品着用がその内容だった。ぼかし加工をしているが、写真を少し拡大すれば内容の推定が可能な程度だ。
北朝鮮政権がこのように「最高尊厳冒とく」ビラまで公開するリスクを甘受したのには、対南敵がい心を高める狙いがあるというのが政府の評価だ。「(軍事行動の)その時間は私たちが決めるのではない」という言葉には、責任を韓国に転嫁して挑発の名分を得ようという意図もみられる。
これに対し申源湜(シン・ウォンシク)国家安保室長は13日午前、KBS(韓国放送公社)番組に出演し「北は体制の脅威を拡大・強調することが内部統制に利点があるとみている」とし「それだけ内部が揺らいでいるという傍証」と解釈した。
国防部もこの日の立場表明で「金正恩一家の独裁政権に疲れている住民たちの敵がい心でも利用しようという狙い」と指摘した。また「北が平壌上空に穴が開いたことをめぐり『惨事』『攻撃態勢』など云々するのは、独裁政権が感じる不安感によるものだ」とした。
実際、北朝鮮の過敏な対応にはいら立ちも表れているという指摘がある。金与正副部長は「惨事」に言及しながらも談話を「個人的にはそのようなことが起きないことを祈願する」という言葉で終えた。報復措置を予告しながらも「挑発が繰り返される場合」などの条件を数回繰り返した。
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