イスラエル国防相がイランに対する報復攻撃の方針を改めて明らかにした。イランもイスラエルに対する攻撃のうち、軍事施設以外の目標物を攻撃する恐れがあると対抗した。

イスラエルのガラント国防相は９日（現地時間）午後、イスラエル軍軍事情報局傘下の情報部隊「９９００部隊」を訪問した。この席でガラント国防相は今後イスラエルの反撃が「強力で、正確で、何よりも驚くだろう」とし「イランはなぜこのようなことが起きたのか理解できないだろう」と述べた。

１日、イランがイスラエルを狙って約２００発のミサイルを発射したことに対する報復方針を再度確認した。ガラント国防相の発言は同日、バイデン米大統領とネタニヤフ首相が３０分間の電話会談を終えた直後に出た。


一方、イラン国家安保外交政策委員会の報道官を務めるエブラヒム・レザエイ氏はＣＮＮに「これまではイスラエルの軍事施設だけを目標にミサイル攻撃を行ったが、我々は他の目標を攻撃することができる」と述べた。今後イスラエル攻撃の際、非軍事施設を目標にする可能性もあるという意味だ。

イランは中東国家を相手に外交戦を続けた。イランのアッバス・アラグチ外相は同日、サウジアラビアの実権者ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と会談して中東情勢について話し合った。イランとサウジはこれまで中東の主導権をめぐって争いながら心地悪い関係を維持してきたが、最近やや近寄っているという評価を得ている。

これを受け、イラン当局者は「湾岸のアラブ諸国がイランを攻撃するため領空や軍事基地の使用を許可するなら容認できない」としたとロイターはこの日、報じた。サウジなど湾岸のアラブ諸国は、米国とイスラエルに融和的な態度を見せてきた。

イスラエルはシリアとレバノンの武装勢力ヒズボラなど「抵抗の軸」に対する攻撃も強めている。イスラエルは１０日未明、シリア産業地帯の自動車組立工場と軍事施設を空襲し、ヒズボラの幹部も相次いで除去したと発表した。