韓米同盟が核基盤同盟に格上げされたという政府の評価とは違い、米国が提供する核の傘は北朝鮮の核の脅威に対応するには十分でないという国民の不信感がわずか１年間で大きく高まったことが分かった。中央日報と東アジア研究院（ＥＡＩ）の共同企画世論調査の結果だ。同盟に対する防衛公約にも損益計算書から出すトランプ前大統領が１１月５日の大統領選挙で勝利する場合、従来の拡大抑止関連の約束も撤回するおそれがあるという「トランプフォビア」が数値で確認されたということだ。

◆「米国の核の傘は十分でない」回答が急増

中央日報とＥＡＩは昨年と今年の共同企画世論調査で共通して拡大抑止に関する質問をした。今年の調査（８月２６－２８日、全国１８歳以上の成人男女１００６人対象のウェブ調査）で回答者の４７．４％は「北朝鮮の核の脅威への対応は米国が提供する核拡大抑止（核の傘）で十分だという評価に同意しない」と答えた。「同意する」（４１．２％）に比べ６．２ポイント高かった。


昨年の調査（２０２３年８月２５日－９月１３日、全国の１８歳以上の成人男女１００８人を対象に深層対面面接調査）では、韓米両国の対北朝鮮拡大抑止強化案を盛り込んだ「ワシントン宣言」（２０２３年４月発表）について説明した後、「ワシントン宣言が北朝鮮の脅威に適切な対応であり、韓国の安保上の懸念を解消するのに十分だという評価に同意するか」と尋ねたところ、回答者の５７．６％が「同意する」と答えた。

わずか１年間で拡大抑止を「信じる」から「信じない」に世論が変わったとみることができる。特に両国政府が過去１年間に拡大抑止強化を可視的に見せる実質的措置を繰り返し取ってきたという点で、こうした結果はさらに注目される。韓米首脳は７月に「韓米韓半島核抑止核作戦指針」に署名し、米国の核戦力が韓半島（朝鮮半島）に常時配備されるレベルで米国戦略資産展開の頻度と強度を拡大することにした。

◆「トランプフォビア」　数値に表れる

韓米の拡大抑止強化の動きと世論が逆に動く矛盾した現状の背景には、トランプ氏が在任中に見せた同盟軽視基調による「学習効果」が大きな影響を及ぼしたとみられる。これは「米国の政権交代に関係なく韓米同盟は強固」という政府の説明に国民がうなずけないという意味と解釈する余地がある。

実際、トランプ氏は定例的・防御的性格の韓米連合訓練を「高価なウォーゲーム」と発言した（２０１８年６月１２日の第１回朝米首脳会談後の記者会見）。北朝鮮との対話を進めるという名分だったが、結局、トランプ氏の任期中に連合訓練は中断または縮小した。

さらに最近はワシントンで「北朝鮮非核化」目標を調整するような気流が感知されている点も影響を及ぼした可能性がある。７、８月に順に発表された米国共和党と民主党の政策綱領で韓半島非核化関連の文言はなかった。


トランプフォビアで…「米国の核の傘は不十分」２６％から４７％に急増　［韓国安保、国民に尋ねる］（２）