１１月５日の米大統領選挙で民主党候補のハリス副大統領が当選する場合、韓国経済を率いる半導体産業にリスク要素として作用しかねないという警告が出された。反対に共和党候補であるトランプ前大統領が当選すれば韓国のバッテリー産業の不確実性が増加するだろうという見通しとともにだ。

韓国産業研究院は７日、こうした内容の「米国大統領選挙シナリオ別の韓国の産業への影響と対応方向」と題する報告書を発表した。まずハリス氏が当選する場合、半導体前方産業であるスマートフォンなどデバイス市場でファーウェイやシャオミなど中国企業の製品に対し米国政府の牽制が弱まる可能性がある。

購入制限や関税を高める方式の牽制が緩和されれば中国のデバイス企業のシェア上昇から中国製半導体需要の上昇、韓国製半導体需要の下落につながる恐れがあるという話だ。


韓国の鉄鋼と化学産業界にもハリス氏が当選するのが悪材料となりかねない。労働と親環境の側面に基盤を置いた非関税障壁深化で韓国の貿易環境を悪化させる恐れがあるというのが産業研究院の警告だ。

ただハリス候補が当選すれば韓国の自動車、バッテリー、防衛産業には「青信号」になると産業研究院は分析した。自動車の場合、現行の補助金などが維持され輸出好調が持続するだろうという話だ。防衛産業を見ればウクライナと北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）に対する米国の支援強化により輸出機会が拡大すると予想された。

トランプ氏が当選すれば韓国のバッテリー産業に不確実性が極めて高くなるだろうと産業研究院は予想した。現在のバイデン政権のインフレ抑制法など「グリーンニューディール政策」が廃棄されると予想されるためだ。

ただ大統領選挙とともに行われる連邦上下院総選挙の結果を見守る必要がある。総選挙の結果により議会がインフレ抑制法廃止などにブレーキをかけることもあるためだ。

産業研究院は「トランプ氏当選時には韓国の米国への輸出と貿易黒字規模が一定部分縮小される可能性がある」と懸念する。海外企業の工場を米国に移して生産させる「アメリカファースト」基調が強化され、関税障壁が高くなる見通しだ。トランプ氏は「１０％の普遍関税、中国に対しては６０％の高率関税を課す」という立場だ。韓国の自動車・鉄鋼業界が最も大きな打撃を受けると予想される。

鉄鋼業界の場合、トランプ氏が当選（関税障壁）しようがハリス氏が当選（非関税障壁）しようがリスクの性格が異なるだけで否定的影響を受けるというのは同じだ。