米国大統領選挙を１カ月後に控えて出版されるドナルド・トランプ前大統領のメラニア夫人の回顧録に夫のセックススキャンダルスキャンダル関連の内容は入っていないことが分かった。



４日（現地時間）、ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）によると、８日に出版予定のメラニア夫人による１８２ページ分の回顧録は、モデル活動期の写真など個人的な足跡が重点が置かれている。あわせて同紙は「（メラニア夫人は）結婚については言及しているが、スキャンダルは省略した」と伝えた。


ＮＹＴによると、この本にはトランプ氏が成人映画女優と性関係を持った後「口止め料」を払ったという報道が登場した時のメラニア夫人がどのような気持ちだったかは書かれていない。「有名人なら女性の性器を触っても大丈夫だ」というトランプ氏のわいせつな発言が含まれた音声ファイルが暴露されたことについても一切の言及がない。その代わり、メラニア夫人は「（トランプを）倒そうとする強力な勢力の攻撃に伴う犠牲者」などと夫を描写しているという。

メラニア夫人は著書でファーストレディー時期に取り沙汰された論争について説明している。メラニア夫人は２０１８年１０月、トランプ氏が不法移民者を対象にした両親・児童隔離政策を撤回した翌日、テキサス州メキシコ国境地域の移民者児童収容施設を訪問したことがある。この時、メラニア夫人は「私にとっては本当にどうでもいい、あなたは？（Ｉ　ＲＥＡＬＬＹ　ＤＯＮ’Ｔ　ＣＡＲＥ，　ＤＯ　Ｕ？）」と書かれたジャケットを着て論争になった。当時、米国マスコミは「服に書かれたフレーズが該当事案に対して『我関せず』という意味に誤解される素地がある」と指摘した。

これに関連し、メラニア夫人は「そのジャケットを着たのは話を歪曲（わいきょく）と否定的な内容を報道するメディアへの対応（メディアのことは気にしないという意味）だった」と説明した。ＮＹＴは「今回の回顧録でメラニア夫人はメディアに対する『恨み節（ｇｒｕｄｇｅ）』で一貫している」と指摘した。実際、メラニア夫人は著書の中で「我々はメディアに関して、危険な時代に住んでいる」と書いている。

また、２０２０年大統領選の結果が「操作された」と主張するトランプ氏の主張を間接的に擁護している。著書の中で「多くの米国人が今でも相変らず選挙に対して疑問を抱いている」とし「結果に疑問を呈しているのは私だけではない」としている。

大統領選翌年１月６日に起きた「連邦議会議事堂襲撃事件」について批判しなかった理由については「他の業務に集中していた渦中で、メディア担当秘書が、何が起きたのかを詳しく教えてくれなかったから」と説明した。

ＮＹＴは「回顧録を読んでみると、読者はメラニア夫人が時々夫の招待を受けて大統領任期中に最も重要な瞬間を間近で見ていた事実も知ることになるだろう」と伝えた。一例として、メラニア夫人は過激派武装勢力「イスラム国（ＩＳ）」の指導者アブ・バクル・アル・バグダディを急襲する作戦を見守るホワイトハウス状況室に招待されたことがある。当時トランプ氏は作戦状況を映し出したスクリーンを見ながら、メラニア夫人に「驚くような作戦が行われているのを見よ」と話したという。バクダディは２０１９年米軍特殊部隊によって除去された。

一方、メラニア夫人は自身がホワイトハウスの行事で「オンライン上の児童の安全」に関して話をした時、「（グーグル・メタなど）技術企業経営陣の抵抗に遭って戸惑った」と書いた。