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【社説】「大統領配偶者法」制定論が出る理由を省察するべき=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
改革新党が昨日、大統領の配偶者の法的地位を法律で規定する「大統領配偶者法」の制定を提案した。野党の政略的攻勢と見ることもできるが、いま政局が一歩も前に進めずにいる最大の理由は金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人のいくつかの疑惑のためという点も否認しがたい。したがって法で配偶者の行為に関して保障すべきことは保障し、制限すべきことは制限しようという趣旨とみられる。なぜこのような状況になったのか残念だが、一方では真摯に法の制定を考えてみようという意見も存在する。

検察は昨日、金氏のブランドバック授受事件に関連して嫌疑なしという結論を出した。請託禁止法(金英蘭法)上、公職者の配偶者は金品授受禁止規定(第8条4項)だけがあり、処罰や制裁規定はないからだ。むしろ配偶者が金品を受けた事実を知りながらも知らせなかった公職者だけを処罰することができる。現行の法律にこのような穴があることを知りながらも、どういうわけか政界はこれを改めようとしない。

金氏の公認介入疑惑も依然として言及されているが、厳密にみると「私人」身分であり法的に処罰するのは難しい。歴代大統領の配偶者も問題がなかったはずはない。しかしその間は常識と慣行、そして大統領と大統領室の内部統制システムにより、配偶者の活動や任務、権限が一定の限度を越さなかった。当然それを明文化した規定もなかった。「大統領等の警護に関する法律」で警護対象として配偶者に言及したのがすべてだった。


しかし文在寅(ムン・ジェイン)大統領夫人の金正淑(キム・ジョンスク)氏の2018年のインド単独訪問もそうだが、最近の金建希氏の各種国政介入イシューをみると一定の限度を越えた感じだ。改革新党が提案した配偶者法制定に関心が向かう理由だ。配偶者の雑音が拡大し、その問題で国全体が揺らぐことがあってはいけない。

米国は法で配偶者の公的役割を支援する法的根拠を明確に規定している。すべての公的活動がこの法の枠内で行われる。レーガン元大統領夫人ナンシー氏が取り組んだ麻薬退治運動、オバマ元大統領夫人ミッシェル氏がした学校給食改善運動もこれに基づく。フランスも2017年に「国家元首配偶者の地位に関する透明性憲章」を発表し、配偶者の役割を▼国際会議同行▼国民との意思疎通▼エリゼ宮行事監督などに定めた。

改革新党は今後、法の制定で配偶者の公的役割を定義し、投入予算の透明性確保、法的責任強化を詳細に盛り込もうと主張した。大統領の配偶者という理由だけで公的権限、権力をむやみに行使してはいけないという国民的情緒の発露だ。大統領の配偶者の問題でこれ以上国民が眉をひそめるようなことが消えるのなら、そのようにできない理由はないだろう。



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