ドルチェ&ガッバーナが今年8月に発売した犬用香水[写真 X(旧ツイッター)]
#米国のペット飼料会社「フレッシュペット」は売り上げが3年前より2倍以上増えた。犬と猫に天然材料で作った食べ物だけを与えるという消費者が増えたためだ。フレッシュペットのウィリアム・シア社長はエコノミスト誌に「ペットがますます『人間化』し、会社の業績が良くなっている」と伝えた。このように米国などでペットを子どものように思うトレンドが広がり、関連市場が大きくなっていると外信が伝えた。
モルガン・スタンレーによると、米国人は昨年、ペットに1860億ドル(約26兆8000億円)を使った。この金額は2030年までに2600億ドルになる見通しだ。飼い主たちがペットの食べ物やおもちゃ、毛の手入れ、獣医の診療などにお金を使い、市場が大きくなっている。エコノミスト誌は「ペット市場に使ったお金が育児に使ったものより多い」とし「人々がペットのためにしないことはほとんどない」と伝えた。
特に、飼料事業が活況だ。元々チョコレートなど食品大手である「マース」は昨年の売り上げ3分の2がペット部門から出た。「ロイヤルカナン」など飼料部門も持つマースは、数千カ所の獣医科病院を運営している。飲食品・生活用品企業の「ネスレ」と「コルゲート」も売り上げの2割をペット事業部が占めている。飼料会社「バターナッツボックス」はエンドウ豆と低脂肪鶏肉が入った飼料を発売したが、味を試す時に人が直接食べてみるとメディアは伝えた。
ペットの支出が急増したきっかけは、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)だ。寂しさを紛らすために動物を飼ってお金をつぎ込む人が増えたというのだ。実際、米国で2019年~2023年のペット関連消費は年平均11%増えた。これは同期間の消費成長率(6%)を上回る。この10年間のペット関連消費(5%)の増加率よりも高い。
エコノミスト誌は「人々がコロナ禍が終わってもペットのための消費は継続している」と伝えた。モルガン・スタンレーによると、今年、米国で関連消費は2.5%増加する見通しだ。
物価上昇と求職難に苦しんでも、飼い主はお金を惜しまない。犬や猫を子どものように思っているからだ。ロイヤルカナンのロイック・ムトー会長はエコノミスト誌に「ペットの家は裏庭から居間に、寝室に移っている」と話した。
ペットは家族構成をも変えた。米国のミレニアル世代(1981年~1996年生まれ)は子どもを持たずにペットを飼う。Z世代(1997年~2013年生まれ)の「ペット愛」も証明された。動物用医薬品メーカー「ゾエティス(ZTS)」の最高経営者(CEO)であるクリスティン・ペック氏は「MZ世代はペットを真の家族だと思っている」と伝えた。米国ペット製品協会によると、昨年、Z世代飼い主の95%がペットに1年に1回以上プレゼントを買ってあげたと答えた。
ファッション・化粧品メーカーも目をつけている。CNNは「犬が昼間は600ポンド(約11万円)のプラダのジャケットを着て、夜には915ポンドのヴェルサーチのベッドで眠ることもできる」と伝えた。
先月、世界最大の香料メーカー「ジボダン」のジル・アンドリエ社長は「ペット市場を注視している」とし「最近は子どもよりペットにお金をもっと使う」と説明した。オーストラリアのペットケアブランド「ドッグ・バイ・ドクター・リサ」は犬専用の敏感肌向けクレンザーを発売した。
ただし一部の動物団体は犬専用化粧品や香水に否定的な立場を示した。ケンブリッジ大学獣医科のドナルド・モリス・ブルーム教授は米国CNBCに「犬は嗅覚に依存して人および他の動物と相互作用する」とし「香水やスプレーなどは犬の嗅覚を撹乱するため、相互作用を妨害する」と話した。
韓国国内でもペットの飼育人口は増えている。KB経営研究所がまとめた「2023韓国伴侶動物報告書」によると、2022年末基準で犬や猫などペットを飼っている世帯は552万世帯だ。2020年に比べて2.8%増加した。農林畜産食品部は昨年、ペット関連産業の育成対策を通じて2022年に8兆ウォン(約8700億円)だった韓国国内のペット市場規模を2027年までに15兆ウォンの市場に拡大させるという計画を打ち出した。
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