◆「トランプ氏の外交成果を信じるオブライエンの『空想』」

「トランプ政権の外交策士」に対する批判もあった。オブライエン元補佐官をついては「彼は、トランプ氏のおかげでロシアがウクライナを侵攻せず、トランプ氏のおかげで北朝鮮が核兵器実験をしなかったと主張する」とし「空想的な解釈」と非難した。

マッキンリー氏自身が補佐したポンペオ元長官については「彼はトランプ氏が力による平和を再建できると信じるが、こうした提案はほとんどがバイデン大統領がすでに施行している政策」と指摘した。「トランプ氏の経済参謀」と呼ばれたロバート・ライトハイザー元米通商代表部（ＵＳＴＲ）代表については「ドル安と１０％の普遍関税を主張するが、米国と世界の経済に深刻な波紋を起こしかねない政策」と主張した。マッキンリー氏は「オブライエン元補佐官らは自身が支えた元大統領が偉業を成し遂げたと信じるかもしれないが、大統領選挙という最も重要な時期にみんなをだましてはいけない」として寄稿を締めくくった。


トランプ政権当時には対外政策樹立および執行に深く関与したものの、現在はトランプ氏と距離が置く外交安保分野の専門家が少なくない。いわゆる「大人の軸（Ａｘｉｓ　ｏｆ　ａｄｕｌｔｓ）」と呼ばれたレックス・ティラーソン元国務長官、ジェームズ・マティス元国防長官、ハーバート・マクマスター元国家安保補佐官、そしてジョン・ボルトン補佐官らだ。彼らはトランプ氏が同盟を軽視し、国家安保観が紛らわしいため、大統領に適していないと批判している。

◆トランプ氏「再選すれば習近平主席と最初に電話」

ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長など権威主義国家の首脳との関係を自慢しながらトップダウン方式の談判に自信を表すトランプ氏は２３日、ペンシルベニア州で開かれたフォーラムでもそのような姿を誇示した。

トランプ氏は「（またホワイトハウスに入れば）最初の電話は習近平主席として『あなたがした（貿易）合意を尊重するべき』と話すだろう」と述べた。トランプ氏は習主席が米国の農産物５００億ドル（約７兆２１００億円）分を購入することで自分と合意したとし、「私は彼が１００％それを買うと断言できる」と話した。

ハリス氏に対しては発言をさらに強めた。トランプ氏はこの日、ペンシルベニア州インディアナでの演説で「彼女は共産主義者」とし「カマラ、あなたは米国にとって災難だ。あなたは解雇だ」と叫んだ。トランプ氏はソーシャルメディアで、１０月１７日のカトリック慈善基金募金行事である第７９回「アル・スミス年次夕食会」にハリス氏が出席しなかったことを批判し、「彼女はカトリックに友好的でなかった。『カマラ同志』に投票するカトリック信者は精神検査を受けなければいけない」と投稿した。

ハリス副大統領はこの日、ホワイトハウスでアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と会談した。両首脳はガザ地区休戦および人質交渉について議論し、この席でハリス副大統領は民間人保護と人道的支援の重要性を強調したとホワイトハウスは伝えた。バイデン大統領はナヒヤーン大統領と首脳会談をした後に発表した共同声明で、ＵＡＥを米国の主要国防パートナーに指定したと明らかにした。


「『トランプの外交成功』というポンペオ元国務長官らの話は聞くな」…元補佐官外交官の「狙撃」（１）