岸田文雄首相が27日の自民党総裁選を最後に首相職から退く。岸田首相は6日、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領との「お別れ会談」で「次の首相が誰になっても日韓関係の重要性は変わらない」と強調した。
9日に開かれた第34回韓日ビジョンフォーラムでは「岸田首相退陣以降の韓日関係」を主題に、各界専門家が討論を行った。出席者は「韓日関係は改善されたにもかかわらず、韓国内には『不満』が、日本国内には『不安』が存在する状況」としながら「未来志向的で持続可能な関係を構築するには、両国国民の支持が不可欠」ということに共感した。
◇李元徳(イ・ウォンドク)国民大教授の発題要約
今回の総裁選の特徴は10人前後の立候補者が乱立している点だ。しかし候補群の外交安保政策と理念はスペクトルが広くなく、大同小異だ。また、自民党内の派閥が事実上解体されて結束力が弱くなった状況なので、派閥間の離合集散と合従連衡が選挙の主な変数として作用しない見通しだ。これに先立ち、政治資金スキャンダルや旧統一教会との癒着問題などで岸田政権は退陣することになった。これに伴い、きれいな政治をすることができる改革派、刷新派の人物を求める声が高い。
一方、韓国内では尹錫悦政府の対日融和政策に対する批判が相変らず激しい。独立記念館長の人選を巡る歴史観論争も加熱している。植民地近代化論、日帝強制占領下の朝鮮人の国籍、建国の時点、李承晩(イ・スンマン)政権に対する評価、親日派の定義などを巡る論争が政治的陣営論争と結びついた。親日対反日フレームが表面化している状況で「歴史葛藤」に対する管理が必要な時点だ。
尹錫悦政府が決断した強制徴用被害者「第三者弁済」解決法の完成のためにも努力しなければならない。その他にも日本軍慰安婦被害者支援のための残余財産の処理問題、佐渡金山や軍艦島など国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産登録関連イシュー、韓日大陸棚(第7鉱区)共同開発協定など懸案が隠れている。
最も大きな課題は韓日協力の戦略的重要性に対する国民に対する説得だ。国民的支持がないなら韓日協力の持続性を担保することはできない。来年国交正常化60周年をモメンタムとして具体的な協力の「アクションプラン」を用意する時だ。
◇対日政策は持続性維持がカギ
▽申珏秀(シン・ガクス)元駐日本大使=「ポスト岸田」体制で官邸主導の政治と安倍晋三元首相の遺訓政治が持続するのか、日本の対外政策はどれくらい連続性を見せるのか、その中で韓日関係はどのように変化するのかなどに注目しなければならない。
▽朴鴻圭(パク・ホンギュ)高麗(コリョ)大教授=尹錫悦政府は4月の総選挙で国会多数議席を確保して強制徴用被害者賠償特別法を作って「第三者弁済」資金を充当しようと思ったものとみられる。このような構想が失敗した時に備えた「プランB」は表に現れてこないでいる。今からでも韓日国交正常化60周年を契機に退行しない装置が必要だ。金大中(キム・デジュン、DJ)・小渕宣言2.0を作らなければならない。
▽梁起豪(ヤン・ギホ)聖公会(ソンゴンフェ)大教授=尹錫悦政府は過去史と領土問題を事実上排除したまま価値・法治・人権などをつながりで対日外交基調を急転換した。米中葛藤の中でそれなりの選択をしたわけだが、対日政策の持続性を担保するという課題が残されている。
▽李根寛(イ・グングァン)ソウル大教授=韓日間の新たな共同宣言を用意することより、韓国の対日認識と政策に対する国内的な合意が先行しなければならない。また、来年には韓日大陸棚(第7鉱区)共同開発協定関連の論争が大きくなる可能性があり、備えが必要だ。
◇DJ政府の現実認識、今でも有効
▽チョ・ヤンヒョン国立外交員教授=金大中政府は日本に対しても「太陽政策」を展開した。通貨危機(1997年)と北朝鮮の挑発に対応するために協力を選んだのだった。このような現実認識は今でも有効だ。
▽魏聖洛(ウィ・ソンラク)共に民主党国会議員=政府はとても敏感な韓日歴史問題をやや一方的に扱っている。
日本も右傾化基調と新冷戦の雰囲気を利用して歴史問題をこのままにして次に進もうととしている。国民的共感という『基礎』の上に韓日関係を『増築』しなければならないが、今は基礎が弱くなった状況なので懸念される。
▽尹相炫(ユン・サンヒョン)国民の力国会議員=来年の大阪博覧会を契機に韓日関係をほぐしていくのも効果的かもしれない。これを契機に尹大統領が故盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領(2003年6月)以降、初めて日本を「国賓訪問」する方案も検討しなければならない。
▽姜昌一(カン・チャンイル)前駐日本大使=過去2年間、日本から勝ち取ったものは果たして何だったのか問い直したい。最近、日本が韓国に提供した浮島丸爆沈事件(1945年)乗船者名簿資料19件もまた日本国内の野党圏の問題提起ですでに公論化された状況なので伝達せざるを得なかったものとみる。
【韓日ビジョンフォーラム】「韓日関係の退行防ぐ装置必要…金大中・小渕宣言2.0作るべき」(2)
9日に開かれた第34回韓日ビジョンフォーラムでは「岸田首相退陣以降の韓日関係」を主題に、各界専門家が討論を行った。出席者は「韓日関係は改善されたにもかかわらず、韓国内には『不満』が、日本国内には『不安』が存在する状況」としながら「未来志向的で持続可能な関係を構築するには、両国国民の支持が不可欠」ということに共感した。
◇李元徳(イ・ウォンドク)国民大教授の発題要約
今回の総裁選の特徴は10人前後の立候補者が乱立している点だ。しかし候補群の外交安保政策と理念はスペクトルが広くなく、大同小異だ。また、自民党内の派閥が事実上解体されて結束力が弱くなった状況なので、派閥間の離合集散と合従連衡が選挙の主な変数として作用しない見通しだ。これに先立ち、政治資金スキャンダルや旧統一教会との癒着問題などで岸田政権は退陣することになった。これに伴い、きれいな政治をすることができる改革派、刷新派の人物を求める声が高い。
一方、韓国内では尹錫悦政府の対日融和政策に対する批判が相変らず激しい。独立記念館長の人選を巡る歴史観論争も加熱している。植民地近代化論、日帝強制占領下の朝鮮人の国籍、建国の時点、李承晩(イ・スンマン)政権に対する評価、親日派の定義などを巡る論争が政治的陣営論争と結びついた。親日対反日フレームが表面化している状況で「歴史葛藤」に対する管理が必要な時点だ。
尹錫悦政府が決断した強制徴用被害者「第三者弁済」解決法の完成のためにも努力しなければならない。その他にも日本軍慰安婦被害者支援のための残余財産の処理問題、佐渡金山や軍艦島など国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産登録関連イシュー、韓日大陸棚(第7鉱区)共同開発協定など懸案が隠れている。
最も大きな課題は韓日協力の戦略的重要性に対する国民に対する説得だ。国民的支持がないなら韓日協力の持続性を担保することはできない。来年国交正常化60周年をモメンタムとして具体的な協力の「アクションプラン」を用意する時だ。
◇対日政策は持続性維持がカギ
▽申珏秀(シン・ガクス)元駐日本大使=「ポスト岸田」体制で官邸主導の政治と安倍晋三元首相の遺訓政治が持続するのか、日本の対外政策はどれくらい連続性を見せるのか、その中で韓日関係はどのように変化するのかなどに注目しなければならない。
▽朴鴻圭(パク・ホンギュ)高麗(コリョ)大教授=尹錫悦政府は4月の総選挙で国会多数議席を確保して強制徴用被害者賠償特別法を作って「第三者弁済」資金を充当しようと思ったものとみられる。このような構想が失敗した時に備えた「プランB」は表に現れてこないでいる。今からでも韓日国交正常化60周年を契機に退行しない装置が必要だ。金大中(キム・デジュン、DJ)・小渕宣言2.0を作らなければならない。
▽梁起豪(ヤン・ギホ)聖公会(ソンゴンフェ)大教授=尹錫悦政府は過去史と領土問題を事実上排除したまま価値・法治・人権などをつながりで対日外交基調を急転換した。米中葛藤の中でそれなりの選択をしたわけだが、対日政策の持続性を担保するという課題が残されている。
▽李根寛(イ・グングァン)ソウル大教授=韓日間の新たな共同宣言を用意することより、韓国の対日認識と政策に対する国内的な合意が先行しなければならない。また、来年には韓日大陸棚(第7鉱区)共同開発協定関連の論争が大きくなる可能性があり、備えが必要だ。
◇DJ政府の現実認識、今でも有効
▽チョ・ヤンヒョン国立外交員教授=金大中政府は日本に対しても「太陽政策」を展開した。通貨危機(1997年)と北朝鮮の挑発に対応するために協力を選んだのだった。このような現実認識は今でも有効だ。
▽魏聖洛(ウィ・ソンラク)共に民主党国会議員=政府はとても敏感な韓日歴史問題をやや一方的に扱っている。
日本も右傾化基調と新冷戦の雰囲気を利用して歴史問題をこのままにして次に進もうととしている。国民的共感という『基礎』の上に韓日関係を『増築』しなければならないが、今は基礎が弱くなった状況なので懸念される。
▽尹相炫(ユン・サンヒョン)国民の力国会議員=来年の大阪博覧会を契機に韓日関係をほぐしていくのも効果的かもしれない。これを契機に尹大統領が故盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領(2003年6月)以降、初めて日本を「国賓訪問」する方案も検討しなければならない。
▽姜昌一(カン・チャンイル)前駐日本大使=過去2年間、日本から勝ち取ったものは果たして何だったのか問い直したい。最近、日本が韓国に提供した浮島丸爆沈事件(1945年)乗船者名簿資料19件もまた日本国内の野党圏の問題提起ですでに公論化された状況なので伝達せざるを得なかったものとみる。
【韓日ビジョンフォーラム】「韓日関係の退行防ぐ装置必要…金大中・小渕宣言2.0作るべき」(2)
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