法案を発議した後、４月に掲載された雑誌ローリングストーンとのインタビューを通じて、ＡＯＣは偶然ＳＮＳを見ている途中で自分の性行為イメージを発見した時の心情を明らかにした。「誰かが本物だと考える自分の姿を見た時」感じた衝撃と恐怖、その後反復再生されるトラウマ症状を告白した。ディープフェイクわいせつ物の被害者を「性的暴行生存者」と呼び、「身体的レイプと違うところがない」「被害者を極端な選択へ追い詰める」と警告した。


ＡＯＣが上下院議員１０人余りと共に発議した法案は超党派的な支持を得て全会一致で上院を通過した。まだ下院通過や大統領署名などの手続きが残っているが、プラットフォーム業界のロビーあるいは「表現の自由」論争で座礁したり遅滞したりしていた類似の法案とは違い、巡航中だ。この法案が破格なのは、加害者の法的責任を高めてＡＯＣが「性的暴行生存者」と呼ぶ被害者の回復と権利に注目している点のためだ。法案はディープフェイクのターゲットになった人がこれを製作・配布した人はもちろん、所持した人にも損害賠償を請求する権利を保障している。プラットフォーム規制、加害者の刑事処罰ばかりに留まっていた従来の立法議論を被害者回復次元に拡張した。ここには米国各地でオン・オフライン性的暴行被害者を支援してきた３０余団体との十分な疎通と協業が大きな役割を果たした。