尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が昨日「国政ブリーフィングおよび記者会見」を開き、各種懸案に対する立場を明らかにした。その間、民心との意思疎通が十分でないという批判を受けてきた尹大統領だったため、就任2周年会見(5月9日)以来3カ月ぶりに記者らと一問一答をしたのは評価される。ただ、今回も尹大統領の状況認識が民心とかけ離れていたという点は指摘せざるをえない。
尹大統領は現在の医療事態について「医療現場に一度行ってみるのがよい」とし「いくつか問題はあるが、それでも非常診療体系がそれなりに円滑に稼働している」と述べた。果たしてそうだろうか。現在、全国の病院の救急室では医師不足で過負荷がかかり大変な状況だ。先日、野党国会議員の父が救急室に受け入れられず、たらい回しにされて状態が悪化したりした。秋夕(チュソク、中秋)連休期間には応急診療システムが崩壊するという懸念の声も出ている。いくら状況を楽観的に見ても、現在の非常診療体系が円滑に稼働しているとはいえない。
「チェ上等兵死亡事件特検」問題に対しても尹大統領は「チェ上等兵特検関連聴聞会ですでに外圧の実体がないことが自然に表れたのではないか」と話した。そして「警察が詳細に長期間捜査して捜査結果を発表し、メディアや多くの国民が捜査の結果に特に異議を唱えるのは難しいとみている」と付け加えた。これも論争を呼ぶ発言だ。チェ上等兵事件で大統領室がどれほど関与したのかはまだ明確でない。しかし与党からも「第三者推薦特検」アイデアが出てきたほどだ。
検察の金建希(キム・ゴンヒ)夫人出張調査に関し、尹大統領は「いろいろと考慮して方式や場所が決まったりする」とし「私も検事時代に元大統領夫人の遠く自宅まで訪ねて調べたことがある」と述べた。「特恵」問題に対する国民感情を考慮しているのなら、もっと低い姿勢を見せるべきだった。
野党に対する認識も硬直していた。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表との会談の可能性について、尹大統領は「ひとまず与野党間で少しでも円滑に意思疎通し、このようにして国会がするべき本来の仕事をしなければいけないのではないか」と語った。近いうちに李代表と会う考えはないと一線を画したのだ。そして「いま聴聞会を眺めていれば、私がこれまで眺めた国会とあまりにも違い、私も深く一度考えてみる」とし「国会が正常に機能するべきではないか」と反問した。巨大野党に対する不満を迂回的に表出したが、改革法案と予算を処理するには現実的に野党の協調を求めること以外に代案があるのか疑問だ。
尹大統領は5月の会見でも懸案に対する立場が従来と変わらないという評価を受けたが、今回も従来の立場を頑なに繰り返す印象を与えた。自分の考えを強弁するだけでなく、懸案によっては民心を受け入れる柔軟な姿勢があればよかった。
一方、尹大統領は昨日の会見で▼世代別保険料差別引き上げ▼年金自動安定化装置導入▼年金国家支給保障法律の明文化などを骨子とした年金改革案の下絵を提示した。保険料率と所得代替率を調整する「母数」改革から一歩進んだという点で注目される。しかし第21代国会で母数改革も失敗したが、第22代国会はさらに難しい課題を解決しなければいけない状況だ。政府と与野党が向き合って早期に合理的な年金改革案を完成させることを期待する。
尹大統領は現在の医療事態について「医療現場に一度行ってみるのがよい」とし「いくつか問題はあるが、それでも非常診療体系がそれなりに円滑に稼働している」と述べた。果たしてそうだろうか。現在、全国の病院の救急室では医師不足で過負荷がかかり大変な状況だ。先日、野党国会議員の父が救急室に受け入れられず、たらい回しにされて状態が悪化したりした。秋夕(チュソク、中秋)連休期間には応急診療システムが崩壊するという懸念の声も出ている。いくら状況を楽観的に見ても、現在の非常診療体系が円滑に稼働しているとはいえない。
「チェ上等兵死亡事件特検」問題に対しても尹大統領は「チェ上等兵特検関連聴聞会ですでに外圧の実体がないことが自然に表れたのではないか」と話した。そして「警察が詳細に長期間捜査して捜査結果を発表し、メディアや多くの国民が捜査の結果に特に異議を唱えるのは難しいとみている」と付け加えた。これも論争を呼ぶ発言だ。チェ上等兵事件で大統領室がどれほど関与したのかはまだ明確でない。しかし与党からも「第三者推薦特検」アイデアが出てきたほどだ。
検察の金建希(キム・ゴンヒ)夫人出張調査に関し、尹大統領は「いろいろと考慮して方式や場所が決まったりする」とし「私も検事時代に元大統領夫人の遠く自宅まで訪ねて調べたことがある」と述べた。「特恵」問題に対する国民感情を考慮しているのなら、もっと低い姿勢を見せるべきだった。
野党に対する認識も硬直していた。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表との会談の可能性について、尹大統領は「ひとまず与野党間で少しでも円滑に意思疎通し、このようにして国会がするべき本来の仕事をしなければいけないのではないか」と語った。近いうちに李代表と会う考えはないと一線を画したのだ。そして「いま聴聞会を眺めていれば、私がこれまで眺めた国会とあまりにも違い、私も深く一度考えてみる」とし「国会が正常に機能するべきではないか」と反問した。巨大野党に対する不満を迂回的に表出したが、改革法案と予算を処理するには現実的に野党の協調を求めること以外に代案があるのか疑問だ。
尹大統領は5月の会見でも懸案に対する立場が従来と変わらないという評価を受けたが、今回も従来の立場を頑なに繰り返す印象を与えた。自分の考えを強弁するだけでなく、懸案によっては民心を受け入れる柔軟な姿勢があればよかった。
一方、尹大統領は昨日の会見で▼世代別保険料差別引き上げ▼年金自動安定化装置導入▼年金国家支給保障法律の明文化などを骨子とした年金改革案の下絵を提示した。保険料率と所得代替率を調整する「母数」改革から一歩進んだという点で注目される。しかし第21代国会で母数改革も失敗したが、第22代国会はさらに難しい課題を解決しなければいけない状況だ。政府と与野党が向き合って早期に合理的な年金改革案を完成させることを期待する。
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