韓国では過去３年間に警察に通報があったディープフェイク（人工知能基盤のイメージ合成）性犯罪事件の被害者のうち約６割が未成年者であったことが明らかになった。

３０日、国会行政安全委員会所属の楊富男（ヤン・ブナム）議員（共に民主党）が警察庁から提出させた資料によると、２０２１～２０２３年警察に通報があった虚偽映像物（ディープフェイク犯罪を通じて編集された合成わいせつ物）事件の被害者合計５２７人のうち５９．８％（３１５人）は１０代だった。続いて２０代（３２．１％）、３０代（５．３％）、４０代（１．１％）のなどとなった。

年を追うごとに虚偽映像物の被害未成年者は増加した。


２０２１年５３人から２０２２年８１人、２０２３年１８１人と、２年のうちに３．４倍になった。

技術の発展でディープフェイク製作が容易になったため、未成年者加害者も増えた。虚偽映像物犯罪容疑として立件された被疑者全体のうち１０代が占める比重は２０２１年６５．４％、２０２２年６１．２％から２０２３年７５．８％に大きく膨らんだ。今年１～７月は７３．６％で最も高い。

だが、検挙率は低い状況だ。警察庁の統計によると、過去３年間、虚偽映像物犯罪発生件数に比べて検挙件数は２０２１年４７．４％、２０２２年４６．９％、２０２３年５１．７％を記録している。

楊議員は「ディープフェイク被害者のうち、大部分が１０代であることを考慮し、対策準備を急がなければならない」としながら「特にディープフェイク発生件数に比べて検挙実績が低調なことから、強力な捜査と強力な処罰を後押しする法案づくりが急がれる」と強調した。

韓国政府は２９日、国会で開かれた「ディープフェイク性犯罪」対応と、被害支援方案関連の党政会議で、立法的な側面から現行最大懲役５年の「虚偽映像物」流布など刑量を「不法撮影物」と同じ最大懲役７年に強化する方案を推進した。主要流通経路であるメッセンジャー「テレグラム」運営会社側とのホットラインを確保する方案も推進する。