台風１０号「サンサン」が当初の予想より強く発達し、２９日、九州南部に上陸するものとみられ、日本列島が緊張している。

日本気象庁は「最強に近いクラス」と強く警戒している。住宅を崩壊させる威力だという評価まで出ている。２８日、九州南部の鹿児島県には特別警報を発令した。特別警報発令は２０２２年９月台風１４号以降２年ぶりだ。今回の台風は５０００人の死傷者を出した約６０年前の伊勢湾台風とも比較されている。

台風は中心気圧が低いほど激しい。日本に最悪の被害を残した「伊勢湾台風」の中心気圧が９２９ヘクトパスカル（ｈＰａ）だった。当初、台風１０号の中心気圧は２８日に９５０ヘクトパスカルで終わると２５日に予測された。しかし、２８日午前８時現在、中心気圧が９３５ヘクトパスカルに達するほど強くなり、日本では台風１０号への懸念が高まっている。台風１０号の中心では、最大風速が秒速５０メートル、最大瞬間風速が秒速７０メートルの強い風が吹いている。


日本列島に沿って動く予想移動経路も注目される。気象庁は台風１０号が２９日まで非常に強い勢力を維持したまま九州に上陸した後、日本列島を縦断するように東北方向に進むものとみている。これを受け、トヨタ自動車は２８日夕方から、日本国内の車両組立工場１４カ所の稼動を中止すると明らかにした。台風接近にともなう従業員の安全に対する懸念と物流への影響などを考慮した決定だという。

台風１０号の「急発進」について朝日新聞は、日本南部の海上水温の異常高温、台風の移動経路地域を流れる水温の高い潮流、弱まった偏西風など３つの要因があると気象庁関係者の話として分析した。

通常、台風は水温の高い南太平洋で勢力を育てながら北上したが、韓半島（朝鮮半島）や日本に近くなり、次第に弱まり上陸したが、今回は日本列島近海の海水面も高く、台風にエネルギーを持続的に供給したということだ。

今回の台風による最大予想降水量は２９日午後までの２４時間、九州南部で６００ミリ、四国３００ミリ、東海（本州中部）２５０ミリ、近畿（本州中西部）１５０ミリなどだ。これに先立ち、台風の影響で降った大雨で、前日愛知県では土砂崩れが発生し、一家５人が埋没した。