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80代の親と30代の子どもの両方扶養する…韓国の若い高齢者、15%が「ダブルケア」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

資料写真[Pixabay]

京畿道(キョンギド)の中小企業で役員として働いたペさん(66)は最近40年近く通った会社に辞表を出した。あと数年は働けたが、療養病院に入院した母親の看護をする人がいないからだ。ペさんは「1人で過ごす母親が突然認知症の症状に挙動まで悪化して入院した。1カ月の費用が200万ウォン近くなったため耐えられなくなった。他の兄弟は母親を迎える余裕がなく療養病院費用を節約するのを兼ねて同居することにしたもの」と話した。

問題はお金だ。退職で収入が減るが、ペさんはまだ就職できていない30代半ばの二男に1カ月70万ウォンほどの生活費まで支援している。ペさんは「これまで貯めたお金と国民年金でひとまず持ちこたえてみる。老後資金が心配だがこの際療養保護士の資格も取り、後にこの分野で再就職するか考えている」と話した。

◇子どもに小遣い渡す高齢者、9年間で13.8倍に急増


リタイア後も親と子どもを経済的に扶養しなければならないいわゆる「ダブルケア」の事例が増加している。最近高齢層に進入した60代の新高齢層は親世代の老後準備不足、子どもの遅い社会進出のため老後資金まではたいて彼らの扶養費用を出している。

財団法人「ケアと未来」が6月に韓国リサーチに依頼して調査した結果によると、1960年代生まれの男女980人のうち15%がダブルケアをしていることが明らかになった。親と子どもをともに支援する二重扶養する状態にある彼らは月平均164万ウォンを支出した。家計動向調査によると、1-3月期に世帯主の年齢が60歳以上の世帯の月平均経常所得は358万ウォンだ。ダブルケア支出額が収入の半分水準に達する。

統計庁の高齢者実態調査を分析した結果、同居していない子どもに「定期的に現金を支援している」と答えた65歳以上の高齢者は2011年の0.9%から2020年には12.5%と13.8倍に急増した。老後資金まで子どもを扶養するのに使うこうした傾向は最近60代の若い高齢者が主導している。2020年に同居してない子どもに定期的に現金支援をしていると明らかにした高齢者は65~69歳で15.6%となり、85歳以上の6.8%、80~84歳の9.0%、75~79歳の11.2%よりも格段に多かった。

晩婚化と就職難で子どもの社会進出が遅れる状況で、経済的に余裕があるベビーブーマー世代がリタイア後も子どもに対する経済的支援を切れずにいるとみられる。漢城(ハンソン)大学経済学科のキム・サンボン教授は「いまの中高年層は高度成長期を経て資産蓄積の機会が多かったため経済的余裕がある方。雇用不足で青年の社会進出が遅くなるのは続くほかないが、高い住宅価格などでかかる費用も多い状況で子どもを経済的に支援する高齢者は今後もっと増えるだろう」とした。

◇新高齢層の60.3%、親の生活費も負担

こうした「新高齢層」は子どもだけでなく、両親の扶養に対する負担も大きい。平均寿命が延び親の扶養期間が過去より長くなったためだ。また新高齢層の親世代は資産蓄積の機会が少なく、国民年金の恩恵も受けられないため老後準備が全くされていないケースが多い。

韓国開発研究院(KDI)によると、2021年基準で高齢者貧困率は1930年代後半生まれが56.3%、1940年代前半生まれが51.3%、1940年代後半生まれが44.5%で、1950年代前半生まれの27.8%、1950年代後半生まれの18.7%と比較して2倍以上高かった。高齢者貧困率とは収入が中位所得の半分以下の65歳以上の高齢層の割合を意味する。


80代の親と30代の子どもの両方扶養する…韓国の若い高齢者、15%が「ダブルケア」(2)

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