米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長
ただ、パウエル議長は具体的な利下げ幅と速度については言葉を控えた。パウエル議長は「(政策)方向は明確であり、引き下げの時期と速度は入ってくるデータ、変化する経済見通し、そしてリスク均衡によって決定されるだろう」と説明した。
続いて「雇用増加は依然として堅実だが、鈍化した。我々は労働市場状況がこれ以上冷え込むことを望まない」としながらも「失業率の上昇は景気沈滞の結果というより労働力の供給増加と雇用速度の鈍化を反映した」と明らかにした。好調だった米国雇用市場が最近冷める姿を見せているが、米国経済は依然として軟着陸に向かっていると評価したと解釈される。
この日、ジャクソンホール会合に集まった米連邦公開市場委員会(FOMC)委員も9月の利下げの可能性に重点を置いた。フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁はCNBCのインタビューで「今回の9月の会議で政策金利引き下げプロセスを開始する必要があると考える」と述べた。ただ、体系的に緩和して事前に信号を送るべきだとして「漸進的接近」を強調した。
ボストン地区連銀のスーザン・コリンズ総裁も「インフレが大きく鈍化し、経済指標が物価目標達成領域に到達したという確信を与える」とし「労働市場も全般的によく、通貨緩和を近く(soon)開始するのが適切」という意見を表明した。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)はこの日の基調演説について「パウエル議長が近く利下げに踏み切るという最も強い信号を送った」とし「中央銀行が米国労働市場の追加冷え込みを防ぐために措置を取るだろう」と報じた。また「FRBが2年間続けてきた歴史的なインフレ抑制政策を事実上終えたも同然」とも伝えた。
しかしパウエル議長の現状況分析をめぐり、市場では期待した水準の「9月のビッグカット(金利0.5%引き下げ)」はないという予想も出ている。WSJはFRBが来月から0.25%ずつ数回にわたり金利を下げた後、来年初めに経済状況によって緩急を調節すると予想した。
パウエル議長が金利引き下げを示唆すると、この日、米株式市場は大幅に値上がりした。基調演説が終わるとダウ平均株価が0.9%、S&P500が1.1%上昇した。ナスダック総合指数もハイテク株の業績好調で1.7%上昇した。
米国が9月の利下げに近づき、22日に金利を据え置いた韓国銀行(韓銀)の悩みはさらに深まった。次回の韓銀金融通貨委員会が10月に予定されていて、米国が9月に利下げを断行すれば時差が生じる。内需不振に加えて韓国が利下げの強度までが弱い場合、高金利で内需不振を誘発したという批判が出る可能性がある。これを意識したのか、李昌鏞(イ・チャンヨン)韓銀総裁は記者懇談会で「米国のインフレが強かったため米国は我々より早く大幅に金利を引き上げた」とし「引き下げる時も米国の金利調整幅は当然、我々より大きいだろう」と一線を画した。
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