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「英国のビル・ゲイツ」乗せた豪華ヨット沈没事故の原因…「ウォータースパウト」vs「人災」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

シチリアの資料写真(写真は記事の特定内容と関係ありません)[Pixabay]

イタリアのシチリア島沖で7人の死亡・行方不明者が発生した英国船籍の豪華ヨット「ベイジアン号」沈没事故の原因をめぐり専門家らの意見が分かれている。

英BBC放送は20日(現地時間)、今回の事故の原因として、気候変動のために増えたウォータースパウトのためという分析のほか、気象異変への対応不十分という見方が出ていると報じた。ウォータースパウトとは水上に出現する円柱状の竜巻で、気象レーダーで観測が容易でないという。

目撃者は19日(現地時間)、ベイジアン号が沈没する前、暴風と共にウォータースパウトが表れるのを見たと伝えた。このウォータースパウトで高さ75メートルの大型帆柱が折れ、開いていたハッチ(人の出入りや貨物運搬のための甲板の穴)を通って海水が流入し、ヨットが沈んだということだ。


事故現場近くに停泊していた別のヨットのカーステン・ボルナー船長は「非常に強いハリケーンがあった」とし「ベイジアン号の帆柱が曲がって折れるのを見た」と現地メディアに伝えた。

こうした竜巻がベイジアン号の事故当日にイタリア沖だけで18件現れたが、地球過剰熱の約90%を吸収する海が地球温暖化の直撃弾を受けてウォータースパウトのような気象異変が増えたと分析された。

一部は暑さの中で風を通すため夜中にハッチと窓を開けておいたのが沈没の主な要因に挙げた。沈没の前日、気温は約33度まで上がったことが分かった。欧州誌「セーリングトゥデイ」の編集者サム・ジェファーソン氏は「暑さのためすべての扉が開かれていて、このため海水が(ヨットに)短時間に流入して沈んだようだ」と話した。

イタリア当局は乗員が開けておいたハッチが沈没の原因かどうか調べている。ある専門家はロイター通信に初期調査の焦点はウォータースパウトがヨットを襲う前に乗員がハッチを閉めなかったかどうかに合わされると話した。イタリア気象学会のメルカリ会長は、気象警報を考慮してヨットの乗員が乗客を起こしてライフジャケットを着用させるべきだったと主張した。

捜査に着手したイタリア検察は今回の事故が気象異変によるものか、それとも人災かを重点的に調べるという。現場に調査官を派遣した英海洋調査局も現地検察の捜査を支援する予定だ。

ベイジアン号沈没事故で22人(乗客12人、乗員10人)のうち1人が死亡、6人が行方不明となり、15人が救助された。行方不明者の中には「英国のビル・ゲイツ」と呼ばれるソフトウェア企業オートノミーの創業者マイク・リンチ氏と彼の10代の娘が含まれていた。捜索作業は2日間続いているが、安否は確認されていない。



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