先月末、トルコの高等訓練機であるヒュルジェットがスペインの首都マドリード近郊の空軍基地に到着した。ヒュルジェットはトルコの航空専門防衛産業関連企業であるトルコ航空宇宙(TAI)が2018年7月から開発を始めた2人乗り単発高等訓練機兼軽攻撃機だ。韓国のT50/FA50のような軍用機だ。
初飛行は昨年4月25日。開発が完全に終わった状態ではない。それでもトルコメディアによるとスペイン空軍は老朽化したSF5M訓練機の代替機種でヒュルジェットを検討している。SF5Mは韓国空軍でまだ現役で飛んでいるF5戦闘機を高等訓練機にした機種だ。スペイン空軍はSF5Mを1970年に導入した。すでに知天命の50歳を超える機齢だ。
当初スペイン空軍代表団がアンカラにあるTAIの生産施設を訪れてヒュルジェットを視察する予定だったが、計画を変えスペインで現地試験評価をすることにした。
スペインはドイツとフランスと共同で生産するA400M多目的輸送機6機とヒュルジェット24機を交換する契約を念頭に置いているという。トルコはA400Mをすでに10機保有している。
ヒュルジェットのスペイン輸出推進はトルコの防衛産業の現状をよく見せる。
◇進撃のトルコ防衛産業、韓国を追撃
ロシアとウクライナの戦争と中東の不安定で地政学リスクが大きくなり韓国の防衛産業が躍進している。しかしトルコの防衛産業も恐ろしい勢いで伸びている。
ストックホルム平和研究所によると、2019~2023年に世界の武器輸出市場で韓国のシェアは2.0%で10位を占めた。トルコはすぐ下の11位で1.6%だった。トルコが韓国のあごの下まで追い付いてきた形だ。
米軍事専門メディアのディフェンスニュースは毎年世界の防衛産業企業100社を発表している。国別の企業数で見ると、米国が48社、英国と中国が6社、ドイツとトルコが5社、フランスが4社、韓国とイスラエルが3社、インド、イタリア、ノルウェー、スペインが各2社、オーストラリア、オランダ、カナダ、フィンランド、アイルランド、ルクセンブルク、ポーランド、サウジアラビア、シンガポール、スウェーデン、ウクライナが各1社だ。
参考として、航空専門防衛産業事業者であるエアバスは登記上の本社はオランダのライデンだが、実際の本部はフランスのツールーズにある。
今年はトルコ企業5社が入った。軍用通信装備、レーダーシステム、戦闘管理システム、電子戦システムを生産するアセルサンが42位、ヒュルジェットのTAIが50位、ロケットやミサイルシステムを開発するロケットサンが71位、消火器・火砲・弾薬を作るMKEが84位、航空・海上・地上システムのASFATが94位だった。
これに対し韓国の防衛産業企業はハンファエアロスペース、ハンファシステム、ハンファオーシャンを抱えるハンファグループが19位、ネクスワンが58位、現代ロテム、現代ウィア、起亜を持つ現代自動車グループが73位だった。
ディフェンスニュースはトルコの成長が印象的だと評価した。その上でバイラクタルTB2とアキンチなどの無人機で有名なバイカルは100位以内に入らなかったが、トルコの国防革新を象徴し成長潜在力を備えた企業とみている。
◇1974年から防衛産業集中育成…豊富な実戦経験
事実韓国はトルコを防衛産業でも一段格下と考える。韓国は電子、半導体、自動車、造船、化学では世界最高水準だ。防衛産業基盤が堅固という話だ。そしてトルコにK9自走砲とK2船社、KT1基本訓練機を輸出した。
これに対し2008~2012年には1362億ウォンを投じてトルコから空軍電子戦訓練装備(EWTS)を輸入した。しかし2021年に「国民の力」の姜大植(カン・デシク)議員が明らかにしたところによると、EWTSレーダー5機のうち4機が故障した状態だ。2012年の戦力化後に故障が年平均50件近く起きた。
2021年に韓国陸軍の自走渡河装備をめぐりトルコのFNSSは現代ロテムと組んでAAABを推したが、ハンファエアロスペースとGDELSのKM3に敗れた。このため韓国はトルコを防衛産業のライバルとみていないのが現実だ。
韓国と輸出市場重なる…進撃のトルコ、韓国防衛産業のライバルになるか(2)
初飛行は昨年4月25日。開発が完全に終わった状態ではない。それでもトルコメディアによるとスペイン空軍は老朽化したSF5M訓練機の代替機種でヒュルジェットを検討している。SF5Mは韓国空軍でまだ現役で飛んでいるF5戦闘機を高等訓練機にした機種だ。スペイン空軍はSF5Mを1970年に導入した。すでに知天命の50歳を超える機齢だ。
当初スペイン空軍代表団がアンカラにあるTAIの生産施設を訪れてヒュルジェットを視察する予定だったが、計画を変えスペインで現地試験評価をすることにした。
スペインはドイツとフランスと共同で生産するA400M多目的輸送機6機とヒュルジェット24機を交換する契約を念頭に置いているという。トルコはA400Mをすでに10機保有している。
ヒュルジェットのスペイン輸出推進はトルコの防衛産業の現状をよく見せる。
◇進撃のトルコ防衛産業、韓国を追撃
ロシアとウクライナの戦争と中東の不安定で地政学リスクが大きくなり韓国の防衛産業が躍進している。しかしトルコの防衛産業も恐ろしい勢いで伸びている。
ストックホルム平和研究所によると、2019~2023年に世界の武器輸出市場で韓国のシェアは2.0%で10位を占めた。トルコはすぐ下の11位で1.6%だった。トルコが韓国のあごの下まで追い付いてきた形だ。
米軍事専門メディアのディフェンスニュースは毎年世界の防衛産業企業100社を発表している。国別の企業数で見ると、米国が48社、英国と中国が6社、ドイツとトルコが5社、フランスが4社、韓国とイスラエルが3社、インド、イタリア、ノルウェー、スペインが各2社、オーストラリア、オランダ、カナダ、フィンランド、アイルランド、ルクセンブルク、ポーランド、サウジアラビア、シンガポール、スウェーデン、ウクライナが各1社だ。
参考として、航空専門防衛産業事業者であるエアバスは登記上の本社はオランダのライデンだが、実際の本部はフランスのツールーズにある。
今年はトルコ企業5社が入った。軍用通信装備、レーダーシステム、戦闘管理システム、電子戦システムを生産するアセルサンが42位、ヒュルジェットのTAIが50位、ロケットやミサイルシステムを開発するロケットサンが71位、消火器・火砲・弾薬を作るMKEが84位、航空・海上・地上システムのASFATが94位だった。
これに対し韓国の防衛産業企業はハンファエアロスペース、ハンファシステム、ハンファオーシャンを抱えるハンファグループが19位、ネクスワンが58位、現代ロテム、現代ウィア、起亜を持つ現代自動車グループが73位だった。
ディフェンスニュースはトルコの成長が印象的だと評価した。その上でバイラクタルTB2とアキンチなどの無人機で有名なバイカルは100位以内に入らなかったが、トルコの国防革新を象徴し成長潜在力を備えた企業とみている。
◇1974年から防衛産業集中育成…豊富な実戦経験
事実韓国はトルコを防衛産業でも一段格下と考える。韓国は電子、半導体、自動車、造船、化学では世界最高水準だ。防衛産業基盤が堅固という話だ。そしてトルコにK9自走砲とK2船社、KT1基本訓練機を輸出した。
これに対し2008~2012年には1362億ウォンを投じてトルコから空軍電子戦訓練装備(EWTS)を輸入した。しかし2021年に「国民の力」の姜大植(カン・デシク)議員が明らかにしたところによると、EWTSレーダー5機のうち4機が故障した状態だ。2012年の戦力化後に故障が年平均50件近く起きた。
2021年に韓国陸軍の自走渡河装備をめぐりトルコのFNSSは現代ロテムと組んでAAABを推したが、ハンファエアロスペースとGDELSのKM3に敗れた。このため韓国はトルコを防衛産業のライバルとみていないのが現実だ。
韓国と輸出市場重なる…進撃のトルコ、韓国防衛産業のライバルになるか(2)
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