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<パリ五輪>テコンドー58キロ級決勝めぐり議論…「最後の蹴りは不要」vs「手加減するのはむしろ無礼」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

テコンドー韓国代表のパク・テジュンが7日に行われたテコンドー男子58キロ級決勝で負傷したアゼルバイジャンのマゴメドフの状態を確認している。[写真 五輪写真共同取材団]

五輪テコンドー男子58キロ級で韓国に初めての金メダルをもたらしたパク・テジュンが新たな歴史を書いても手放しで喜べずにいる。



パク・テジュンは7日に行われたテコンドー男子58キロ級決勝で、アゼルバイジャンのガシム・マゴメドフを相手に2-0(9-0、13-1)で勝利を収めた。


試合開始から相手の胴を攻撃し攻勢を広げたパク・テジュンは一方的な試合を見せた。守勢に追い込まれたマゴメドフが第1ラウンドで1分7秒を残して左足蹴りを試みパク・テジュンともつれて転倒した。

マゴメドフがマットに横になり苦痛を訴えると、パク・テジュンが近付いて状態を確認した。パク・テジュンが相手を心配しながら周囲を回ると審判は彼に向け退くよう制止したりもした。

まもなく応急処置を受けたマゴメドフが立ち上がり、パク・テジュンは相手に2度頭を下げて謝る気持ちを伝えた。この場面を見て観客席からは拍手がわき起こった。

両選手の善意の競争は第2ラウンドでも続いた。パク・テジュンが回し蹴りなどを決め13-1で大きくリードした。第2ラウンド終了1分2秒を残しパク・テジュンが右足で攻撃する瞬間、マゴメドフがまた倒れた。

マゴメドフは左足を押さえたまま苦痛を訴え、パク・テジュンはしばらくマゴメドフのそばを離れることができなかった。結局試合は相手の棄権によりパク・テジュンの勝利で終わり、両選手は抱擁して祝意と慰労を交わした。

パク・テジュンはマゴメドフがサポートを受けてマットを離れるのを待ってから太極旗を持ってマットを疾走するセレモニーを繰り広げた。

続く表彰式でパク・テジュンはマゴメドフをサポートしながら歩いた。マゴメドフがパク・テジュンの肩につかまって歩くとパク・テジュンが彼の速度に足並みをそろえた。

会場を拍手で満たした彼の五輪精神をめぐり一部海外ネットユーザーは批判的な意見を送ったりもした。パリ五輪公式インスタグラムには「負傷した相手を攻撃するのはスポーツではない」「真の勝者はアゼルバイジャン選手」「パクの最後の蹴りに相手に対する尊重が見られなかった」などのコメントが付けられた。

これに対し「スポーツで相手に手加減するのはむしろ彼を無視する行為」「審判の終了サインが出るまで最後まで戦うのが正しい」「アゼルバイジャン選手の負傷は残念だが正常な試合、完ぺきな攻撃だった」「相手が負傷しても油断せず最善を尽くすのがプロ精神」などの意見も相次いだ。

銀メダルを取ったマゴメドフも会見で最後まで攻撃したパク・テジュンの集中力は当然だと話した。マゴメドフは「(負傷にも)自分の技術に集中しようとした。今回は結果を得られなかったがロサンゼルス大会では金メダルを取れるよう望む」と話した。

パク・テジュンは試合後に取材ゾーンで「審判が『カルリョ(離れて)』を宣言してから蹴れば反則だ。だがそれまでは攻撃するのが決まった規則だ。審判がカルリョを宣言しないので攻撃した」と話した。

彼は続く公式記者会見でも関連した質問に「相手があきらめるまで最善を尽くすのが相手に対する礼儀だと習った。最後まで最善を尽くして試合に臨んだ」と明らかにした。



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