KAIはeVTOLの核心部品であるパイロン試作品の製作と量産を担当し、eVTOL機の生産が終了するまで部品を供給する。[写真 KAI]
両社が主に生産する部品は航空機の翼とドア、そして胴体の一部だ。最も多くの割合を占めるのが翼関連部品だ。翼の骨組みであるウイングリブと翼端に取り付けられるウイングチップとウイングレットなどが代表的だ。ウイングチップとウイングレットは単純な部品ではなく翼の長さを伸ばして空気抵抗力を減らし燃料効率を上げるのに核心的な役割をする。韓国で生産した多くの製品はエアバスとボーイングに納品中だ。
◇KAI、2030年までに機体部品で2兆ウォン
韓国で民間機部品事業の売り上げが最も大きいのはKAIだ。KAIの4-6月期機体部品事業売り上げは2309億ウォン(約243億円)で、前年同期比22.4%増えた。KAIのエアバス関連売り上げが36.3%、ボーイング関連売り上げが10.7%増加し2桁以上に成長した。コロナ禍収束後に民間機購入市場が回復し部品市場も上昇に乗った影響だ。韓国が生産する部品の種類も多様化している。ボーイングとエアバスの部品だけでなく、小型航空機の部品も生産する。KAIは昨年売り上げの約20%を占める8059億ウォンを記録したこの事業の規模を2030年までに売り上げの30%となる2兆ウォン台に引き上げる計画だ。
KAIは最近アーバン・エア・モビリティ(UAM)部品事業にも積極的に進出している。4月にはブラジルの航空機メーカーのエンブラエルの子会社でUAM専門企業のイブと電気垂直離着陸機(eVTOL)の部品供給契約を締結した。契約規模だけで1兆ウォンに達する。KAIはイブがeVTOL機の生産終了時まで電気動力装置とプロペラ装着に必要な部品を供給する予定だ。
◇ボーイングB787、大韓航空製の部品付けて飛行
大韓航空も民間機製造市場で存在感を見せている。ボーイングやエアバスにとって大韓航空は航空機を購入する顧客であり、主要部品を納品する協力会社としても影響力を発揮している。大韓航空は最近ボーイングB777-9型20機、B787-10型30機を購入することでボーイングと購入了解覚書(MOU)を締結したほか、エアバスA350シリーズの航空機33機、A321NEO型50機などを導入し2034年まで最先端親環境航空機を203機まで増やす計画だ。
大韓航空では航空宇宙事業本部が民間機部品を作る。現在B787のウイングチップなど核心部品5種を納品中だ。累積1200機以上のB787に大韓航空製の部品が装着された。エアバスの航空機にも大韓航空が製造した部品が使われる。2010年にエアバスA320のウイングレット製造会社に選ばれてから2020年には累積3000機の納品実績を記録した。A350に装着されるカーゴドアも大韓航空が納品している。大韓航空航空宇宙事業本部の昨年の売り上げは5407億ウォンで2022年より10%増加した。最近ではボーイングと4個の機種に対する気体部品納品契約を追加で締結したが受注金額だけ約9003億ウォンに達する。
世界の民間機市場規模は毎年大きくなっている。航空産業分析機関のフォーキャストインターナショナルは世界の民間機市場規模が2023年の2294億ドル(約33兆円)から2032年には3848億ドルに年平均5.9%ずつ成長すると予想した。現在注文された航空機受注残高も過去最高値だ。フィナンシャル・タイムズによると、エアバスの受注残高は8598機、ボーイングは5626機に達する。KAI関係者は「受注拡大だけでなく新規航空機開発事業などにも積極的に参加し民間機部品事業を育てていく計画」と話した。
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