パリ五輪選手村の宿舎に入ってきた虫を捕まえるリベリア選手。[モリソンのTikTok動画 キャプチャー]
5日(現地時間)、映像共有プラットフォーム「TikTok(ティックトック)」によると、アフリカ・リベリアの陸上選手エボニー・モリソンは先月30日、自分のティックトックのアカウントに、「五輪選手村の現実」という動画を掲載した。
映像の中のモリソンはタオルで壁と天井についた虫を捕まえながら「エアコンがなくて窓を開けておいたところ、四方に虫が飛んできた」と話した。選手村の宿舎には、他のフランスの家庭のように網戸がついていなかった。当日、パリは昼の最高気温が35度、体感気温が38度まで急騰した状況だった。
パリオリンピック組織委は、環境にやさしい五輪を行うとして選手村にエアコンを設置しなかった。その代わり、空気循環を促進するように建物を配置し、建物の大きさを多様化する方式で、外部より選手村内の気温を6度ほど低く維持できると自信を示した。
しかし、参加国が懸念を示すと、客室7000カ所余りの選手村に臨時にエアコン2500台を設置した。非常に不足しているエアコンに、誰かは宿舎で暑さと戦う状況になった。
先月29日、男子100メートル背泳ぎで金メダルを獲得したイタリアのトマス・チェッコンは、選手村内の環境について公の場で不満を露にした。先月31日、背泳ぎ200メートル決勝進出に失敗した後のインタビューで、自分が最上のコンディションではなかったと主張したからだ。
また「少し疲れていた。午後と夜に騒音と暑さのせいでよく眠れなかった」とし「エアコンがなくて非常に暑く、料理も良くないため、多くの選手が選手村を離れている」と話した。
パリオリンピック組織委員会は、「炭素を減らすために選手村の食堂メニューの菜食の比重を高めた」と明らかにしたが、量が少なく質が良くないという指摘も出たのだ。
その後、チェッコンが昼間に選手村内のベンチの下の芝生で寝ている姿が公開されると、ネットユーザーの間では選手村の宿舎にエアコンがないためではないかという推測も出てきた。
サウジアラビアの漕艇選手、フセイン・アリレザは、チェッコンのこのような姿を撮影し、5日インスタグラムに掲載した。この映像を見たネットユーザーは「宿舎がどれほど不便だったら外で寝るのか」「過去最悪の五輪」「フランス人として恥ずかしくて申し訳ない」という反応を示した。
しかし、チェッコンの屋外での寝泊まりは宿舎の冷房とは無関係であることが分かった。イタリア水泳連盟はアンサ(ANSA)通信に「ただ少し昼寝をしただけ」とし、チェッコンが提起した宿舎問題と関係がないと強調したと仏紙ル・パリジャンがこの日、報じた。
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