ハマスの軍事指導者ムハンマド・デイフ氏が先月、空襲で死亡したとイスラエル軍が１日、明らかにした。

イスラエル軍は「先月、ガザ地区のカンユニス空襲でデイフ氏が除去されたことを確認した」と発表した。

イスラエルのヨアブ・ガラント国防相もＸ（旧ツイッター）で「７月１３日『ガザ地区のビンラディン』と呼ばれる殺人鬼ムハンマド・デイフ氏を殺した」と明らかにした。ハマスはこれを確認しなかった。


これに先立ち、イスラエル軍は先月１３日、デイフ氏とラファ・サラメ・ハマス指揮官らを標的にして、ガザ地区南部のカンユニスの人道主義区域で大規模な空襲を行った。ハマスが統制するガザ地区保健省は、この攻撃でパレスチナ住民の少なくとも９０人が死亡し、３００人が負傷したと明らかにした。当時、デイフ氏の安否は確認されなかったが、この日イスラエル軍が死亡事実を確認したと公開した。

デイフ氏は昨年１０月７日、イスラエル南部地域に対するハマスの奇襲攻勢を設計した張本人として名指された。当時の攻勢で約１２００人の死者を出し、２５０人以上が人質になった。

また、ハマスの軍事組織「アル・カッサーム旅団」を創設し、その後約２０年間、アル・カッサームの首長の役割を果たした。ハマス・ガザ地区の最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏とともに、イスラエルの最優先除去対象に選ばれた。シンワル氏はいまだにイスラエルの追跡を避けている。

デイフ氏は数百キロに及ぶハマスの地下トンネルを構築し、爆弾製造技術を発展させた。長い隠遁生活で正体が正確に明らかになったことがなく「影の司令官」とも呼ばれた。アラビア語で「デイフ」は「客」という意味で、イスラエル当局の目を避けて毎日住居地を移したことから名づけられたニックネームだ。