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<パリ五輪>「肉が食べたい」選手たちの不満爆発…試験台に立たされる低炭素オリンピック

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ジネディーヌ・ジダンが26日(現地時間)、フランス・パリのトロカデロ広場で開催された2024パリオリンピック(五輪)開会式で、聖火を次のランナーであるラファエル・ナダルに手渡している。[写真 パリ=オリンピック写真共同取材団]

「カーボンニュートラルな競技大会」という野心に満ちた目標を掲げたパリオリンピック(五輪)が開幕序盤から試験台に立たされている。食べるものから寝る場所まで、炭素を画期的に減らすための試みが選手たちの反発にあったためだ。

英紙タイムズなど現地メディアによると、パリ五輪に参加した英国選手団が菜食中心の選手村の食事に不満を爆発させた。英国オリンピック協会(BOA)のアンディ・アンソン最高経営責任者(CEO)は「卵や鶏肉、特定の炭水化物など、特定の栄養素が十分ではない。選手に生の牛肉が提供されるなど食べ物の質にも問題がある」とし「数日内に劇的な改善が必要だ」と話した。

ある英国選手は「今大会は持続可能性を高めて菜食中心を掲げていたが、混雑する時間帯に(食堂に)行くと鶏肉を一切食べることができない」と話した。これに対して選手村に食事を供給しているSodexo Live!は「選手たちの意見を真摯に受け止めている。食事の供給を増やすために努力している」と説明した。


◇「フレンチフライ」のないパリ五輪

パリ五輪組織委員会は大会期間に提供される食事に対して肉類の比重を大幅に小さくし、その代わりに植物性の食品を2倍に増やした。選手やボランティアメンバー、観衆など約1300万人が食べると予想される食事の炭素排出量を減らすためだ。選手村で提供されるメニューも半分を100%菜食で構成した。天ぷら器の使用が難しいという理由でフライドポテト(フレンチフライ)もメニューから抜いた。

だが、食事に対する選手の不満が高まると各国は自己救済策を用意している。英国は追加でシェフを派遣することを決めたほか、韓国の場合は肉などを含んだ昼・夕方の弁当を準備して選手たちに提供している。

◇「炭素の排出を半分に」聖火もバイオ燃料供給

今大会で変化したのは食事だけではない。今年ですでに3回目の五輪を開催するパリ組織委は大会を控えて史上最高の低炭素・エコ五輪になるという野心に充ちた目標を掲げた。このため2012年ロンドン大会と2016年リオ大会の平均カーボンフットプリント、すなわち350万トンの二酸化炭素排出量を半分(175万トン)以下に減らすことを目指している。

組織委はまず建設部門の炭素排出量を減らすため、競技場をはじめとする大会インフラの95%を五輪期間だけ臨時に維持するか、既存のインフラを再使用することにした。

五輪聖火にもバイオ燃料を供給するなど親環境エネルギーの比重も高めた。この他にもエッフェル塔補修工事から回収した鉄道メダルを製作したり、リサイクルプラスチックで競技場座席を作ったりするなど環境に配慮した五輪のためにさまざまな試みを行った。

◇蒸し風呂宿舎・バスに不満続出…30日には猛暑予告

だが、実際に大会が始まると選手ら五輪参加者の間から不満が噴出した。食事だけでなく、冷房も議論になった。組織委はエネルギー節減のために選手村にエアコンを設置しなかったほか、競技場に移動するバスでもエアコンの使用を制限した。暑さの中で選手はコンディション管理に困難を訴え、一部選手団は近隣のホテルに宿舎を移動した。論争が高まると主宰側は宿舎で移動型エアコンを使うことができるように折衷案を用意した。

低炭素五輪の目標達成が難しいという懐疑論も提起されている。インフラとともに最も多くの炭素を排出する輸送部門で縮小が難しいという懸念が出ている。カナダの研究機関「CIRAIG」のAnne de Bortoli研究員は「カーボンフットプリントの最も大きな不確実性は交通に関するもの」としながら「航空旅行やパリ地域をつなぐ新しい地下鉄路線の開通遅延などにより、炭素排出量が急増する可能性がある」と指摘した。

天気も変数だ。開幕式からパリに雨が降って夏の猛暑の熱気をそれなりにおさえ込んでいるがが、30日(現地時間)に35度を超える暑さが予報された状態だ。厳しい猛暑になる場合、冷房エネルギーの使用にともなう炭素排出も増えざるを得ない。組織委は大会が終わって秋にも正確な炭素排出量を発表する予定だ。



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