韓国の２０２４年税法改正案に伴う税収減少効果は４兆３５１５億ウォン（約４８３６億円）と推定される。前年度改編案当時の減税規模（年平均４７１９億ウォン）と比べて大きく膨らんだ。変更された税法が直ちに適用される来年だけで今年と比べて６２２７億ウォンの税収減となる展望だ。尹錫悦（ユン・ソクヨル）政府３年目を迎えて再び減税基調が強化されて国の財政を懸念する声が高まっている。

韓国企画財政部によると、代表的な税収減少要因として相続税改編（－４兆ウォン）・子女税額控除（－６０００億ウォン）・結婚税額控除（－１０００億ウォン）が挙げられた。細目別に見ると、相続贈与税（－４兆５６５億ウォン）・所得税（－４５５７億ウォン）・法人税（－３６７８億ウォン）は減り、付加価値税は控除率引き上げなどの影響で３６５６億ウォン増えるという見通しだ。

昨年に続いて今年も「税収パンク」が確実視される状況で政府の財政負担はさらに重くなる見通しだ。今年１～５月の国税収入は１５１兆ウォンで、１年前に比べて９兆１０００億ウォン減った。年間目標税収に対する徴収実績を表す進度率は４１．１％で、最近５年間の平均（４７．０％）はもちろん、５６兆ウォン台の大規模税収欠損が発生した昨年（４６．６％）よりも低い。税制当局は今年の欠損規模は少なくとも１０兆ウォン以上になると推定している。


それでも韓国政府は中産層の税負担を軽減するために相続税改編を推進する一方、結婚・出産・養育支援のために結婚税額控除も新設した。階層別税負担を見ると、庶民や中小企業が受ける減税恩恵が大きい。税負担が庶民・中産層（総給与８４００万ウォン以下）は６２８２億ウォン、中小企業は２３９２億ウォン減少する反面、高所得者や大企業はそれぞれ１６６４億ウォン、９１７億ウォン減少すると推測された。高麗（コリョ）大経済学科のカン・ソンジン教授は「税収が減少している分、歳入確保案も合わせて用意するべきだった」と指摘した。