ソウル大峙洞の学習塾街 ソ・ジウォン記者
この日、大峙洞では教育部の関係者らがソウル市教育庁と共に、小学生の医学部クラスなど過度な先行学習を誘導する学習塾の取り締まりをしていた。にもかかわらず学習塾は小学生を対象に夏休みの4週以内に高等数学課程まで教えると広報した。
◆警察・国税庁・公取委まで動いたが、学習塾は健在
政府が「私教育カルテル」との戦争を宣言してから1年が経過した。しかし期待とは違い、成果は少ないという評価が出ている。教師との問題取引、教材の強制販売などで国税庁や公正取引委員会などの調査を受けた大手受験塾はむしろ売上が増えた。
教育部がカルテル清算を目標に私教育にメスを入れたのは昨年6月だ。当時、尹大統領は教育部から教育改革案の報告を受けた際、「公教育で扱わない部分の問題を大学修学能力(修能)試験で出題すれば無条件に私教育に依存しろということになる」とし「教育当局と私教育産業が一つ(カルテル)ということか」と指摘した。過度に難しい修能試験が私教育を増やすという悪循環構造を「カルテル」と命名したのだ。その後、教育部は直ちに学習塾に問題を独占販売した教師らを監査院、捜査当局に送り、修能試験キラー問題排除方針を明らかにするなど、私教育カルテル廃止政策を出した。大手学習塾を対象にした国税庁の特別税務調査、公正取引委員会の調査も続いた。
私教育カルテルとの戦争の結果は今年半ばから出ている。国税庁は16日、昨年の全体学習塾脱税追徴額を286億ウォン(約32億円)と明らかにした。前年の追徴額66億ウォンの約4倍だが、昨年基準で27兆ウォンにのぼる私教育市場規模の1%もならない水準だ。学習塾街の関係者は「調査期間が100日ほどと長く、調査対象の学習塾関係者の個人通帳まで調べる大々的なイベントだったが、実際に追徴された金額は学習塾別に数億ウォン程度」と話した。学習塾の教材押し売りを調査した公正取引委員会も先月「処罰要件の立証が難しい」という理由で対象学習塾を「嫌疑なし」として処理した。
大手学習塾の売上はむしろ増えた。メガスタディ教育は2022年の8359億ウォンから昨年は9352億ウォンに増え、「1兆ウォン売上時代」を目前にしている。幼児から高校、大学事業部門まで全領域で売上が増えた影響だ。「時代人材」を運営する法人ハイコンシーも同じ期間、2747億ウォンから3605億ウォンに売上高が31.2%増えた。来年3月には京畿道龍仁市(ヨンインシ)に全国最大の寮制学習塾を開くなど事業の拡張も進めている。
学習塾街のある関係者は「私教育を抑えると言ったのも、医学部の募集人員を増やし、修能試験を難しくし、私教育ブームを起こしたのも政府」とし「いくつかの調査を行ったが、結果的には大手学習塾がうまく教えると広告する姿になった」と指摘した。
学習塾、叩かれるほど成長…韓国政府の私教育と戦争1年、売上31%増(2)
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