5月29日、ソウル竜山(ヨンサン)大統領室庁舎で開かれたモハメドUAE大統領の国賓訪問公式歓迎式に出席した金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人 キム・ヒョンドン記者
検察内では「金夫人側が事実上検事らを自宅に呼んだようなものだ。他の政府庁舎もあるのに警護処の施設は意味が格別だ」(首都圏高等検察検事)、「ドイツモーターズ(株価操作事件)の場合、告発から4年ぶりの対面調査で、特恵をめぐる論争が出るほかない」「他の政治家が『私も第3の場所で調査してほしい』と言えばどうするのか」(検察幹部)などの当惑感と批判が交差した。
場所は大統領警護処が19日夜遅くに提案し検察が受け入れたという。金夫人側が検察庁への出頭を拒否した表向きの理由は「警護と安全」だ。だが金夫人の弁護人の既存の立場などを考慮すると、検察庁のフォトラインに立って有罪推定の印象を植え付けかねないという内部判断などが作用したとみられる。
野党「共に民主党」は、「特恵であり皇帝調査」「金夫人1人で訪問した夜の市庁駅交通事故現場より検察庁が危険なところなのか」「私はソウル中央地検長を務めたが(検察が明らかにした)『管轄政府保安庁舎』は初めて聞いた言葉」(イ・ソンユン議員)など批判を高めた。大統領室は「現職大統領夫人が直接対面調査を受けたことを特恵というのは行き過ぎた主張」と批判を一蹴した。
検察は2カ月あまりにわたり、▽検察庁に召還して調査▽竜山(ヨンサン)を訪問して調査▽第3の場所での出張調査▽書面調査――などをめぐり苦悩した。この期間に大検察庁(最高検)と中央地検間の温度差が大きくなった。イ・ウォンソク検事総長ら最高検察庁は、李明博(イ・ミョンバク)元大統領のBBK疑惑などでの特検時のようなずさんな捜査と言われないようにするなら召還調査すべき(最高検察庁高位関係者)という原則論を維持した。ただドイツモーターズ捜査と関連してはイ総長が「中央地検がしっかり協議せよ」と全権を付与し、最高検察庁としては動ける幅が狭かった。
これに対し中央地検捜査チームの意見は微妙に変わった。先月末の「配偶者処罰規定がないブランドバッグ捜査は(金夫人の)召還が負担になる。ドイツモーターズの捜査はどんな形であれ調査が必要だ」という立場はその後、今月初めの「召還だけに固執して調査が失敗に終わるよりは訪問調査が良い」を経て、今月中旬には「調査方式と時期は令夫人・大統領室と調整する領域」となった。
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