辛すぎるという理由でデンマークで回収（リコール）事態となったＫフードがある。それが「ブルダック炒め麺」だ。ところがこの商品はわずか１カ月で販売再開にこぎつけ復活した。その秘訣は鍋・器に残っているソースだった。韓国政府が料理・食事の過程で辛さが減る点を集中的に攻略し、ブルダック炒め麺に対するデンマーク側の規制を解いたことが分かった。

２２日、韓国政府・食品業界によると、先月１１日にデンマーク獣医・食品庁（ＤＶＦＡ）が韓国製ブルダック炒め麺３商品に対する回収決定を下した。カプサイシン（辛さを出す成分）含有量が高く、これを摂取した消費者が急性中毒に陥る危険があるというのが理由だった。危害評価報告書には「辛さチャレンジ」の用途で食べれば健康を害することがあるという懸念が含まれていた。世界的人気を呼んでいるブルダック炒め麺にこのような決定を下した国はデンマークが初めてだった。

このような事態に、食品医薬品安全処（食薬処）など韓国政府がメーカーの三養（サムヤン）食品と共に素早く動いた。食薬処はまずデンマーク政府にＫフードに対する間違った誤解が他の国に拡散したり貿易障壁のように作用したりする場合があるという懸念を公式に伝達した。デンマーク政府を説得する科学的根拠も必要だった。特に昨年ドイツ青少年が辛さチャレンジに挑戦して腹部の痛み・呼吸困難などを訴えた「スパイシーポテトチップ」との違いを立証するのに集中した。デンマーク政府が主にスパイシーポテトチップを基準としてブルダック炒め麺の危害性を評価しているからだ。


先月末、食品医薬品安全評価院・韓国食品科学研究院は分析を経て消費者がブルダック炒め麺のスパイシーソースをすべて食べないことを確認した。料理過程ではソースの袋や鍋にソースが残り、食べる時は器についた分だけ実際に摂取するカプサイシンの含有量が低くなるという内容だった。

食薬処は今月初めにＤＶＦＡに代表団を派遣してこのような分析資料を渡した。デンマーク側はブルダック炒め麺の人体のための評価を再度実施し、３商品のうち２商品（ブルダック炒め麺２Ｘスパイシー・ブルダック炒め湯麺）のカプサイシン含有量が安全な水準だと判断した。回収措置を撤回し、１２日からこれら商品のデンマーク内の販売も再開された。

食薬処のオ・ヨンジン・グローバル輸出戦略担当官は「デンマークが出した判断が他の欧州国に広がらないようにするのが最優先課題だった」としながら「ブルダック炒め麺の料理過程を直接の動画で見せて辛さが減ることを科学的に説明したところ、デンマーク側の考えが変わった」と話した。三養食品関係者も「政府が共同で対応してくれたことから、回収決定を早期に撤回することができた」と明らかにした。

海外の規制緩和を助ける「規制外交」は他のＫフードにも適用されている。先月、初めてベトナム輸出認可が下りた食用金箔が代表的だ。食品添加物である金箔は純度９５％以上の金を紙のように薄く延ばして作ったもので、酒・ジャム・デザートなどに使われる。当初、韓国国内のＡ社がベトナムへの金箔輸出・流通を希望したが、規制障壁に阻まれた。ベトナムでは金箔は食品添加物として登録されておらず食品として使うことができなかったためだ。だが今年に入って食薬処・駐ベトナム大使館などが積極的に動いて雰囲気が変わった。これら機関は韓国国内の食品添加物体系と金箔の安全性などをベトナム当局に積極的に説明した。

その結果、ベトナム政府は韓国基準を活用した安全性評価後、輸入を承認した。食用金箔のベトナム輸出期待効果は年間１０万個で、金額基準で１００万ドル（約１億５７００万円）に達すると推定される。オ担当官は「今後も国際協力と積極的な規制外交で非関税障壁を解消してＫフードのグローバル進出を引き続き支援していく」と明らかにした。