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「サムスンに負けた、アップルは終わった」…その1カ月後に起きた反転(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

アップルインテリジェンスが搭載されたアップルの機器。[写真 アップルコリア]

うわさばかりがあふれるアップルの新しい人工知能(AI)戦略「アップルインテリジェンス」が先月10日に開かれたアップルの開発者会議WWDCでついに公開された。アップルはオープンAIと協力して音声アシスタント「Siri(シリ)」にAI機能を搭載すると発表した。「もしかしてアップルがAIを外注化しようとしているのか」。歓呼と嘆きが分かれた。期待と違っていたのは明らかだった。アップル共同創業者スティーブ・ウォズニアックは残念だと反応し、メディアも「革新をあきらめたアップル」としながら酷評を吐き出した。グーグルだけでなく、先にAIスマホの「ギャラクシーS24」を出したサムスンよりもアップルが遅れているという評価まで出てきた。しかしアップルはこの雰囲気を1カ月ぶりに変えた。アップルは10日に世界で初めて時価総額3兆5000億ドルを突破した企業になり、マイクロソフトとエヌビディアに渡した時価総額1位の座も取り戻した。アップルAIの「一発」は何か。サムスンギャラクシーのAI戦略とアップルは何が同じで何が違っているのか分析してみた。

◇「アップルAI」…チャットGPTがすべてではなかった

アップルインテリジェンス発表直後、「天下のアップルも終わった」という話が出た。アップルが独自のAIモデルを準備できずオープンAIに主導権を渡したように見えたためだ。しかしそれで終わるアップルではない。


モバイル機器でAIは大きくクラウド(サーバー)AIとオンデバイスAIに分かれる。オンデバイスAIはユーザーの機器とサーバーがデータをやりとりする必要がなく、機器そのものでAIの演算が処理される。スピードが速くセキュリティ面でも有利だが、クラウドAIに比べてデータ処理能力が落ちる。例えば、iPhoneで作成した文を編集・要約する作業程度はオンデバイスAIにできるが、イメージ・動画生成はサーバーを通じてクラウドAIが処理しなければならない。アップルもオンデバイス用とサーバー用のAIモデルをそれぞれ独自に開発してきた。昨年初めからコード名「Ajax」として進めてきた独自の大規模言語モデル(LLM)基盤プロジェクトだ。

アップルのオンデバイスLLMは最大30億個のパラメータを持つが、現在ギャラクシー機器に搭載されたグーグルのオンデバイスAI「ジェミニ・ナノ」のパラメータは18億個水準だ。パラメータが多いほどLLMの性能も良い。ただ機器のデータ処理負担もともに大きくなるというのが問題だ。

こうした問題を解決するために、アップルはこの秋に出すiPhone16基本モデルからメモリー半導体RAM容量を増やすものとみられる。IT業界関係者は「アップルはオンデバイスAIで多くの作業を処理しようとするだろう」と予想する。

◇オープンAIとの「不安な同盟」

アップルAIの性能に対する疑問は残っている。他社との協力を極度に敬遠してきたアップルがオープンAIと手を組んだこと自体がアップルのAI競争力不足を反証する。

アップルはiPhoneなど機器ユーザーの要請をほとんど自社のオンデバイスAIとクラウドAIで処理するが、一部難しく複雑な質問はチャットGPTに送ることにした。アップルインテリジェンスに足りないAI性能をチャットGPTで補完する形だ。それでも、アップルはオープンAIにチャットGPT利用料を1ドルも支払わないという。忠誠度が高いことで有名なアップルユーザーにアプローチできる道をオープンAIに開いてくれたことだけで費用は十分に払ったという計算だろうか。とにかく、アップルだけが可能な大胆な取引だ。


「サムスンに負けた、アップルは終わった」…その1カ月後に起きた反転(2)

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