「防災地下神殿」という奇妙な名前に引かれて今月10日に訪ねた東京北西にある埼玉県の首都圏外郭放水路。見学が始まる場所には20人余りが集まっていた。ほとんどが外国人観光客で入場料を出して事前予約した人々だった。
グループの間に入って「地下神殿」に入ってみた。100余段で構成された鉄製の階段をぐるぐる回りながら降りていくため、目の前に繰り広げられる風景にあちこちから感嘆の声が上がった。高さ18メートルの柱59本がずらりと並んでいる道が177メートル、幅78メートルの巨大な空間に入っているのを見て、ここがなぜ「神殿」と呼ばれているのかを実感した。薄暗い地下の中央に高くそびえ立ったコンクリートの柱が照明を受けて立っている様子は見る人を圧倒した。
地下神殿という別称を持ったこの空間の本来の名称は「調圧水槽」だ。水圧を調節する水タンクを意味する。東京を台風・集中豪雨による洪水から守る防災システムの一部だ。調圧水槽は雨水トンネルを通じて入ってきた雨水の水圧を低くする役割をするが、地下に集めた雨水を外側に取り出す排水の最後の段階だ。
調圧水槽に集まった水をガスタービンで駆動する巨大なポンプ4基を利用して近くの河川に送れば東京湾を通じて海に出て行く。1秒当たり200立法メートルの水を排水することができる。毎秒25メートルプール1個分の水を取り出すことができるということだ。
地下神殿の近くには垂直に開けた穴という意味の「立坑」と呼ばれる施設がある。地下放水施設に入ってきた雨水が最初に保存される空間だ。穴の直径は約30メートル、深さ71メートルに達する。スペースシャトルや米国の「自由の女神像」がまるごと入る。観覧客は体にハーネス(harness・落下防止のための安全器具)を着用してレールに連結された後、円形移動路に沿って見学することができる。
この巨大な穴の下には6.3キロ区間にわたって世界最長規模の地下排水トンネルがある。記者が訪問したこの施設は30年前に着工されて2006年最終完工した。建設費用だけで2300億円が投入された。だが放水路建設前後の違いは顕著だ。防災センター関係者によると、東京北部の中川・綾瀬川の河川流域は周辺より低い「皿形」の地形のため、昔から浸水被害に苦しめられてきた。大雨が降ったり台風が来たりすると数万軒が水に浸るのが常だった。
だが、2002年の部分開通以降、洪水被害の低減に大きく寄与している。部分開通以降、18年間この施設を通じて浸水被害を軽減した効果が合計1484億円と推算される。
東京都心の真中では大雨で増えた雨水をどのように管理しているのだろうか。都心では主に河川近くに水位を調節する貯水槽を設置して対応している。河川の横の地下に貯水槽を作り、地下にはトンネルを作って排水容量を高めている。
記者が訪問した妙正寺川の貯水槽は道路の下に設置されていた。貯水槽の入口の鉄窓には川底で見られるような水藻が引っかかっていた。川の水位が上昇するたびに貯水槽に水が引き込まれて残された跡だった。貯水槽付近で会った住民のハラダさんは「以前は台風が来るたびに川の水があふれて被害が発生したが、ここ数年間は雨が多く降っても氾濫したことがない」と伝えた。
現在東京には12本の河川の水位を調節する27基の貯水槽のうち地下排水トンネルが3カ所ある。追加設置も進められている。現在練馬区の白子川の貯水槽と中野区にある神田川の貯水槽を5.4キロの長さの地下トンネルでつなぐ工事が行われている。来年完工すれば総延長13キロの巨大な雨水トンネルができる。工事を担当した建設会社関係者は「完工すれば1時間当たり100ミリの局地性集中豪雨にも対応が可能になる」と説明した。
東京には洪水防ぐ「地下神殿」がある…極限豪雨が増える韓国も参考にすべき(2)
グループの間に入って「地下神殿」に入ってみた。100余段で構成された鉄製の階段をぐるぐる回りながら降りていくため、目の前に繰り広げられる風景にあちこちから感嘆の声が上がった。高さ18メートルの柱59本がずらりと並んでいる道が177メートル、幅78メートルの巨大な空間に入っているのを見て、ここがなぜ「神殿」と呼ばれているのかを実感した。薄暗い地下の中央に高くそびえ立ったコンクリートの柱が照明を受けて立っている様子は見る人を圧倒した。
地下神殿という別称を持ったこの空間の本来の名称は「調圧水槽」だ。水圧を調節する水タンクを意味する。東京を台風・集中豪雨による洪水から守る防災システムの一部だ。調圧水槽は雨水トンネルを通じて入ってきた雨水の水圧を低くする役割をするが、地下に集めた雨水を外側に取り出す排水の最後の段階だ。
調圧水槽に集まった水をガスタービンで駆動する巨大なポンプ4基を利用して近くの河川に送れば東京湾を通じて海に出て行く。1秒当たり200立法メートルの水を排水することができる。毎秒25メートルプール1個分の水を取り出すことができるということだ。
地下神殿の近くには垂直に開けた穴という意味の「立坑」と呼ばれる施設がある。地下放水施設に入ってきた雨水が最初に保存される空間だ。穴の直径は約30メートル、深さ71メートルに達する。スペースシャトルや米国の「自由の女神像」がまるごと入る。観覧客は体にハーネス(harness・落下防止のための安全器具)を着用してレールに連結された後、円形移動路に沿って見学することができる。
この巨大な穴の下には6.3キロ区間にわたって世界最長規模の地下排水トンネルがある。記者が訪問したこの施設は30年前に着工されて2006年最終完工した。建設費用だけで2300億円が投入された。だが放水路建設前後の違いは顕著だ。防災センター関係者によると、東京北部の中川・綾瀬川の河川流域は周辺より低い「皿形」の地形のため、昔から浸水被害に苦しめられてきた。大雨が降ったり台風が来たりすると数万軒が水に浸るのが常だった。
だが、2002年の部分開通以降、洪水被害の低減に大きく寄与している。部分開通以降、18年間この施設を通じて浸水被害を軽減した効果が合計1484億円と推算される。
東京都心の真中では大雨で増えた雨水をどのように管理しているのだろうか。都心では主に河川近くに水位を調節する貯水槽を設置して対応している。河川の横の地下に貯水槽を作り、地下にはトンネルを作って排水容量を高めている。
記者が訪問した妙正寺川の貯水槽は道路の下に設置されていた。貯水槽の入口の鉄窓には川底で見られるような水藻が引っかかっていた。川の水位が上昇するたびに貯水槽に水が引き込まれて残された跡だった。貯水槽付近で会った住民のハラダさんは「以前は台風が来るたびに川の水があふれて被害が発生したが、ここ数年間は雨が多く降っても氾濫したことがない」と伝えた。
現在東京には12本の河川の水位を調節する27基の貯水槽のうち地下排水トンネルが3カ所ある。追加設置も進められている。現在練馬区の白子川の貯水槽と中野区にある神田川の貯水槽を5.4キロの長さの地下トンネルでつなぐ工事が行われている。来年完工すれば総延長13キロの巨大な雨水トンネルができる。工事を担当した建設会社関係者は「完工すれば1時間当たり100ミリの局地性集中豪雨にも対応が可能になる」と説明した。
東京には洪水防ぐ「地下神殿」がある…極限豪雨が増える韓国も参考にすべき(2)
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