10日、京畿道(キョンギド)にあるA小児病院に呼吸困難症状を示す生後5カ月の赤ちゃんが保護者の懐に抱かれて入ってきた。未熟児として生まれたこの赤ちゃんは肺に損傷がある気管支肺異形成症などの基底疾患を持っていた。前日夜から息をしない瞬間が3~4回ほど発生した救急状況だった。A病院の医師は赤ちゃんが瞬時に悪化する恐れがあるという懸念で重症診療施設が充実しているソウルのB上級総合病院に移送させた。
だが、B病院は当座の薬物処置だけを行った後、赤ちゃんを再びA病院に送り返した。「人材が不足していて子どもを入院させるのは難しい」というのが理由だった。A病院長は「当病院は人工呼吸器もなく救急患者を受け入れるのが大きな負担だった。だが、別の大病院を探そうとすると『ピンポンゲーム』のように患者をたらい回しにする格好になるので、悩んだ末に受け入れた」としながらも「このような状況では、赤ちゃんに万一のことが起きるのではないかと思って医療スタッフ全体が戦々恐々とするほかはない」と打ち明けた。
重症・救急診療装備と医療スタッフが不足した小児病院の「小児救急室化」が目立っている。医療空白長期化の中で小児診療体系全般が揺れて大型病院救急室の役割を代行する小児病院が増えている。今後「必須医療」に挙げられる小児青少年科の人材不足などで診療体系がさらに不安になるおそれがあるという指摘が出ている。
小児病院はおおむね地域の小児科医院よりは大きいが、大型総合病院よりは小さい2次医療機関を指す。これら病院は「韓国緊急度判定支援システム(KTAS)」(計5段階)で相対的に軽症である3~5等級に該当する患者を主に診療して、より高難易度の検査・治療が必要な1~2等級患者は3次病院に移送する形を取っている。
だが、小児科専攻医が2月に集団辞職に出るなど大型病院の小児救急診療機能が大きく低下して問題が生じた。すでに人材が不足していた小児科は緊急事態に陥り、小児病院が重症や救急状況の患者を抱え込む状況が発生するようになった。大韓小児病院協会のイ・ホンジュン副会長〔金浦(キンポ)こども第一病院長〕は「専攻医辞職以降、専門医が疲れてきた4~5月ごろから3次病院から小児病院に逆に転院を依頼するケースが増え始めた」と話した。
これに伴い、全国小児病院10カ所中9カ所は1カ月に少なくとも1件以上の急病患者を受け入れている。
小児病院協会が先月27~29日に会員病院を調査(50カ所参加)した結果、救急車で来院する小児患者が1カ月に1件もないという病院は12%にすぎなかった。78%が月1~10件、10%が11件以上の救急患者を受け入れていた。1カ月に120件の救急患者を受け入れたという病院も1カ所あった。
治療が難しい患者を上級総合病院に転院させることは簡単ではない。院長が1カ所1カ所に電話をかけて受け入れる病院を直接探すほどだ。匿名を求めた小児病院の院長は「患者を上級病院に移すには汗を流しながら四方八方に1時間中電話をかけなければならない」としながら「それさえも子どもがあちら側の病院に到着する時に生きていると保障してこそ受け入れてくれる。それよりも緊急な患者は危険負担のため誰も受け入れようとしない」と話した。実際に協会の質問によると、小児病院72%が救急車で来院した救急患者を上級病院に移送するのに困難を経験したと明らかにした。
韓国医療空白長期化…小児病院、大型病院の救急室になる(2)
だが、B病院は当座の薬物処置だけを行った後、赤ちゃんを再びA病院に送り返した。「人材が不足していて子どもを入院させるのは難しい」というのが理由だった。A病院長は「当病院は人工呼吸器もなく救急患者を受け入れるのが大きな負担だった。だが、別の大病院を探そうとすると『ピンポンゲーム』のように患者をたらい回しにする格好になるので、悩んだ末に受け入れた」としながらも「このような状況では、赤ちゃんに万一のことが起きるのではないかと思って医療スタッフ全体が戦々恐々とするほかはない」と打ち明けた。
重症・救急診療装備と医療スタッフが不足した小児病院の「小児救急室化」が目立っている。医療空白長期化の中で小児診療体系全般が揺れて大型病院救急室の役割を代行する小児病院が増えている。今後「必須医療」に挙げられる小児青少年科の人材不足などで診療体系がさらに不安になるおそれがあるという指摘が出ている。
小児病院はおおむね地域の小児科医院よりは大きいが、大型総合病院よりは小さい2次医療機関を指す。これら病院は「韓国緊急度判定支援システム(KTAS)」(計5段階)で相対的に軽症である3~5等級に該当する患者を主に診療して、より高難易度の検査・治療が必要な1~2等級患者は3次病院に移送する形を取っている。
だが、小児科専攻医が2月に集団辞職に出るなど大型病院の小児救急診療機能が大きく低下して問題が生じた。すでに人材が不足していた小児科は緊急事態に陥り、小児病院が重症や救急状況の患者を抱え込む状況が発生するようになった。大韓小児病院協会のイ・ホンジュン副会長〔金浦(キンポ)こども第一病院長〕は「専攻医辞職以降、専門医が疲れてきた4~5月ごろから3次病院から小児病院に逆に転院を依頼するケースが増え始めた」と話した。
これに伴い、全国小児病院10カ所中9カ所は1カ月に少なくとも1件以上の急病患者を受け入れている。
小児病院協会が先月27~29日に会員病院を調査(50カ所参加)した結果、救急車で来院する小児患者が1カ月に1件もないという病院は12%にすぎなかった。78%が月1~10件、10%が11件以上の救急患者を受け入れていた。1カ月に120件の救急患者を受け入れたという病院も1カ所あった。
治療が難しい患者を上級総合病院に転院させることは簡単ではない。院長が1カ所1カ所に電話をかけて受け入れる病院を直接探すほどだ。匿名を求めた小児病院の院長は「患者を上級病院に移すには汗を流しながら四方八方に1時間中電話をかけなければならない」としながら「それさえも子どもがあちら側の病院に到着する時に生きていると保障してこそ受け入れてくれる。それよりも緊急な患者は危険負担のため誰も受け入れようとしない」と話した。実際に協会の質問によると、小児病院72%が救急車で来院した救急患者を上級病院に移送するのに困難を経験したと明らかにした。
韓国医療空白長期化…小児病院、大型病院の救急室になる(2)
この記事を読んで…