韓国で解雇されたり職場が廃業するなどの理由で働き口を失った非自発的失業者が６月に１２３万７０００人に達した。こうした非自発的失業者は５カ月連続で大きく増えている。

国会予算決算特別委員会所属の野党「共に民主党」の黄靖雅（ファン・ジョンア）議員が国会立法調査処と統計庁の雇用動向マイクロデータを分析した結果によると、先月の非自発的失業者は前年同月より１７万９０００人（１６．９％）増加した１２３万７０００人だった。非自発的失業者は働けるのに「職場の休業・廃業」「名誉退職・早期退職・整理解雇」「臨時的・季節的仕事の完了」「仕事がない、または事業不振」など労働市場的理由で職を失った人を意味する。家事、育児、心身障害、定年退職、給与への不満など自発的理由で仕事を辞めた人は含まない。

非自発的失業者は２月に前年同月比７万人（４．３％）増加し、３月に７万６０００人（５．９％）、４月に８万２０００人（６．９％）、５月に１５万８０００人（１４．７％）増えた。５カ月連続で増加幅が拡大する状況だ。高い物価と金利負担が持続する中で内需不振まで重なり廃業する事業者が増えたためとみられる。


非自発的失業者が最も大幅に増えた年齢層は５０代で２７．１％増えた。５０代以上の場合、建設業従事者の割合が高い方だが、最近の建設業不振で一部の現場建設業務が中断されるなど雇用環境が厳しくなった影響だ。４０代も２０．７％と高い増加率を記録した。１５～２９歳の青年層２２万７０００人で前年同月比１７．８％増えた。３０代でも６．０％増加した。

産業別で見ると、製造業が４３．４％増、建設業が３４．１％増など主要産業で非自発的失業者が大幅に増えた。季節的な要因で失業者が増えたのではなく、昨年の同じ時期と比較しても指標が悪化した点で雇用市場の不安定性が深まったことを意味する。

現在不振に陥っている内需関連産業でも打撃を受けた。卸・小売業で３３．７％、宿泊・飲食業で２４．４％非自発的失業者が増加した。研究開発業などを含む専門科学と技術サービス業でも２１．７％増加した。黄議員は「政府の研究開発予算削減などが影響を及ぼしたもの」と解釈した。

黄議員は「政府は経済が順風に乗ったと表現するが、自営業者の廃業が増えるなど実質的な経済は厳しいい状況。高物価と不動産価格上昇で民生が困難を経験し、実質消費が減り結局非自発的失業者が増加している」と指摘した。その上で「結局財政の役割を強化して内需と雇用対策を用意する必要がある」と強調した。