ヴェネツィアの資料写真[Pixabay]
ヴェネツィア市が今年初め、「オーバーツーリズム」(過剰観光)現象を解決するため、世界主要都市の中で初めて試験導入した入場料賦課制度が14日(現地時間)、終了した。この制度はイタリア解放記念日の4月25日から4~7月のイタリア祝日と週末を中心に計29日間施行された。
同期間、約45万人の観光客が都市の入場料として5ユーロを支払い、約220万ユーロが徴収された。ヴェネツィア当局は、このお金をゴミ収集と都市美観の維持など必須サービスに活用する予定だ。
ヴェネツィア当局は、都市の入場料を観光客の流入を減らすための特段の対策だと紹介したが、傾向を変えるには失敗したことが明らかになった。AP通信は、ヴェネツィア市議会側の資料を引用して都市の入場料導入の最初の11日間、1日平均7万5000人がヴェネツィアを訪れ、これは昨年の3日にわたる休日より1万人多いものと集計されたと伝えた。
ヴェネツィア市の野党市会議員であるジョヴァンニ・マルティーニ氏も「ヴェネツィアの都市入場料政策は惨めに失敗した」と述べた。
市の入場料は、ヴェネツィアを当日の日程で訪問する観光客に限って課される。ヴェネツィアで宿泊する観光客には適用されない。ヴェネツィアの住民たちは、都市の入場料賦課ではなく、新規共有宿泊施設の許可を制限しなければならないと求めている。
しかし、ヴェネツィア当局は「試験導入の初年度から政策効果が現れるとは期待していなかった」とし、「来年に入場料が引き上げられれば、状況は変わるだろう」と自信を示した。
ヴェネツィアのシモーネ・ヴェントゥーリーニ観光担当市会議員は12日、現地日刊紙とのインタビューで「オーバーツーリズムを防ぐために入場料の引き上げを考慮する時」として「世界で独特な経験を提供するこの限られた空間にどのような種類の人々を連れてくるか、我々が選ぶべきだ」と強調した。
ヴェネツィアのミケーレ・チュイン予算担当市会議員は「初年度には大きな効果が現れなかったが、試験導入だっただけに期待もしなかった」として「入場料が10ユーロに引き上げられれば状況は変わるだろう」と話した。
「水の都」と呼ばれる世界的観光名所ヴェネツィアは昨年2000万人以上が訪問したということが分かった。観光客が溢れ、騒音やプライバシー侵害、高騰する住宅価格などの問題で立ち去る住民が増え、ヴェネツィア歴史地区内の人口は1961年の13万人以上から現在は5万人未満に減った。
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